第2話 字の存在
「あれ?おかしいな。」
バザーの中で、石田将太はあることが気になった。
どこを見ても"字が無いのだ"
看板はあるが、絵しか描かれていない。
図で表すとこんな感じだ。
|ーーーーーー-------|
|---------🐚---🔶🔸🔸------------|
|---------🍅---🔸🔸----------------|
|---------🍄---🔸--------------------|
|-------------|
一応看板の意味がわからなくもないが、念のため確認しておこう。近くの店主に聞いてみる。
「あのー、貝殻って、大きいコイン1枚と小さいコイン2枚で買えるんですか?」
「そうだよ。あと、大きいコインは
「金貨以外に銀貨や銅貨はないんですか?」
「うーん見たことがないなぁ。あ、でも
(なるほど、この世界には貴族がいるのか。きっと貧富の差が激しいんだろうな。)
「わかりました。あと、この先どれくらい進んだらモンスター討伐ギルドがあるんですか?」
「3分ほど歩けばモンスター討伐ギルドに着くと思うから、着いたら"クエスト"や"探索"をするといい。」
(クエストや探索とかなんかゲームっぽくなってきたぞ。)
「クエストって具体的にどういうのがあるんですか?」
「そこまではわからないなぁ。ギルドの係員に聞くと教えてもらえると思う。」
「わかりました。ありがとうございました。」
「いやいや、こちらこそ役に立ててよかったよ。それじゃあ気をつけてなー。」
「はい!」
(なんかこの街の人は親切な人が多いなー。あ!字について聞き忘れた!ギルドに着いたら聞いてみよっと。)
あの人の言った通り3分ぐらい歩くとギルドの目の前に着いた。木製の建物で、石垣の上にあり、周りの建物よりも高い所に建ててある。
石の階段を上りどんなところなのか期待に胸を弾ませてドアを開けると、そこは、俺が思い描いていたギルドだった。
左右の手前には、椅子と机があり、ご飯を食べるところもあるようだ。右奥には、クエストの受付嬢みたいな人が立っているカウンターがあり、左奥にはクエストボードやなにかの掲示板のようなものがある。カウンターの奥には、クエストや探索に出かける裏口があるみたいだ。
ギルドに入ると、見た感じ人間はおらず、獣人が多いことがわかる。俺はまず、受付嬢に"人間について"や、"字の存在"について、聞くことにした。
「あのー、少し質問していいですか?」
「はい、なんでしょう。」
「このギルドの人間の人ってどこにいますか?」
「人間の方ですか。今はクエストに出かけておられますね。おそらくもうすぐ帰ってくるはずなんですが…」
ギィィ、ガチャン。
「あ!今帰ってこられましたね。あの人に用があるんですか?」
「まぁね。じゃあ話はこれで。」
俺は、今帰ってきた人間の人に聞いてみてる。
「あのー、質問いいですか?」
「ああ、いいけど。」
「この世界に字ってあるんですか?」
「この世界?なにを言っているんだ君は。まぁいい、君は字を知らないのか?」
「字っていうのは知ってるんですけど、街で一つも見なかったので。」
俺は次の言葉にものすごく衝撃を受けた。
「街で字を見ないのは当たり前だ。字を扱えるのは人間だけだからな。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます