人間が弱い?いや、字があれば勝てるよ

UマッチョG

第1話 異世界へ…

「うおぉぉぉぉぉ!!」


 俺は今、"スライム"と呼ばれるモンスターから逃げている。日本にいた頃は、よくゲームの敵として"雑魚"のイメージがあるが、この世界は違う。

 いや、スライムが強いのではい。     

 "人間が弱いのだ"



 俺がこの世界に来る前の話をしよう。


 俺の名前は石田将太いしだしょうた。15歳で入学したての高校1年生。義務教育が終わって友達とゲームセンター行ったり、映画館行ったりして普通に生活を楽しんでいた。

 学校では、好きな科目の国語と化学は頑張って勉強して、嫌いな科目の英語は単語を覚えるだけでも苦労するほどだった。



 そんなある日、俺のロッカーに手紙が入っていた。黒い紙に赤い字で「石田将太君へ」と書いてあった。

 帰り道、商店街裏の誰も通らなさそうな所で手紙を読んだんだ。「君は…………………

 そこから先が思い出せないんだ。何か頭に強い衝撃があって……やっぱり思い出せない。



 気付いたら知らない街に来ていた。だが、一瞬でここが異世界だとわかった。なぜならそこら中に"獣人"や"半魚人"、あと耳が長い"エルフ"など、本やゲームでしか見たことない人ばかりだったからだ。

 それはもう興奮しっぱなしで、俺もしかして魔法とか使えたりするんじゃね!?と思っていたが、この世界はそんなに甘い世界ではなかった。



 っていうことがあって逃げているんだ。

 なんでスライムと戦ったかって?そりゃ魔法とか使ってみたかったからに決まってるじゃねーか。

 まぁ結果は今の状態を見ればわかるけど魔法は使えないし何か特殊能力があったりもしなくて、スライムに石を投げようとしたが、石がものすごく重く感じたんだ。しかも少し走っただけで疲れてしまう有様だ。


 結局スライムは諦めて去っていってくれたけど、俺の体が、ものすごく弱くなっているのがわる。 とにかく情報が少なすぎるから、街に戻っていろんな人に話を聞いてみようと思う。日本語が通じるか不安だけど…


「あのー、この街に"人間"ってどれくらいいるんですか?」


「この街の人間は"モンスター討伐ギルドに"に4人ほど、あとは、この街を治める"政治会"という会があるんだが、そこに1人いるくらいだ。あんた人間ならまずは討伐ギルドで同じ人間同士で話を聞いたりするといいと思うぞ。」


「ありがとうございましたー」


(なるほど、人間は少ないのか。)


「あのー、討伐ギルドってどこにあるんですか?」


「えっと、あっちに行くと右にバザーがあるから、そこを突っ切れば行けるよ。」


「バザーを突っ切るんですね、わかりました。ありがとうございました。」


 よし!討伐ギルドに行ってみよう!


 散々な目にあった石田将太はやっとここまでこれたのだった。

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