第38話 母の思い出の料理 きんぴらごぼう

ゆりこ達はお墓に着いた。


ゆりこ「ここが私の街。ここは私のお婆ちゃんのお墓だよ。」


4人で手を合わせた。


アイヤ「お婆様の話は聞いた事ございませんでした。どのようなお方なんですか?」


ゆりこ「いつも優しくて、山奥に住んでたから、山菜料理とか得意で私も一緒に取りに行って料理してたの。野菜や果物も育てていて、収穫の時は楽しかった。」


アルファ「楽しい思い出ばかりだったのですね。」


ゆりこ「うん!でも私が中学生になったばかりの時に亡くなったの。それまで、お墓の存在すら聞かされていなくて、サラと来た時にやっと分かったんだ。」


アルカ「そうだったんですね。」


ゆりこ「うん。でもこうしてまた会えたから私は嬉しい。」


ゆりこは満面の笑みを浮かべた。


ゆりこ「さぁ、私の両親の家に行くよ!着いてきてね!」


4人は歩いて向かった。


男女にチラチラ見られて、カッコいい!可愛い!と言われていた。


数分後。

両親の家に着いた。


ドアをノックした。


ゆりこ「お母さん。ゆりこだよ。」


ゆっくりドアが開いた。


母「ゆりこ?会いたかったわ。」


母はゆりこを抱き締めた。


ゆりこ「苦しいよ。友達の前だよ?離して?」


母は手を離した。


母「お友達、連れてきてくれたの?」


ゆりこ「うん。中に入って話したい事があるの。」


母「分かったわ。どうぞ入って下さい。」


4人は中に入った。

座布団を出して座ってゆっくり話した。


ゆりこ「私はまだまだやりたい事があるからここには頻繁には帰れないの。それに自分で造った街もあるし。出来ればそこで、お母さんとお父さんと暮らしたいって考えてる。」


母「ゆりこ…。ありがとう。お父さんと考えておくわ。」


ゆりこ「ありがとう!お母さん。」


母「うん。ゆりこのお友達紹介してくれる?アイヤの事は分かってるからいいわ。」


アルファとアルカはいきなり立って自己紹介をした。



アルファ「私は、ゆりこさんの護衛をしています、アルファです。」


アルカ「私はアルファ兄さんの弟アルカです。」


母「ご丁寧にありがとうございますね?まぁ座って下さい。」


3人は座布団に座った。


母は押し入れからある物を取り出して、みんなにそれぞれ渡した。


母「これは想いのバッジ。想いが強くなると白い星が金色に輝くわ。そうすると想いが叶う。昔に、私と主人が作った最高傑作よ。万が一、娘と友人が現れたら渡そうって約束してたから。良かったら貰って頂戴?」


4人はバッジを服に着けた。


アイヤ「想いのバッジについて私から説明します。白、オレンジ、黄色、最後に金色に変わります。そして想いのバッジは価値が高い物なので失くさないようにお願いします。」


母「相変わらず固いわね?」


アイヤ「奥様がゆったりし過ぎなんですよ。」


母「でもありがとう。」


アイヤ「いえ。」


ゆりこ「ねぇお母さん。アイヤは仮の姿になってるのに何でアイヤって分かったの?」


母「まだ魔力があるから分かるのよ。」


ゆりこ「やっぱりお母さん凄い人なんだね?」


母「お父さんには敵わないけどね?お父さんは大魔法使いって言われてたくらいだし。」


ゆりこ「凄い!知らない事ばかりだね。」


母「それはゆっくり話してあげるわ。」


母は立ち上がりキッチンへ行った。

冷蔵庫を開けて、タッパーと小皿とお箸を持ってきた。


母「ゆりこが好きなきんぴらごぼうよ。良かったら食べて?」


タッパーを開けた。


みんなはそれぞれお箸できんぴらごぼうを取り小皿に移して食べた。


ゆりこ「美味しい!味変わらない。」


アイヤ「シャキシャキしてますね。」


アルファ「ピリ辛だけど美味しいです。」


アルカ「美味しすぎます。」


みんなの箸が止まらなくなりすぐになくなった。


母「あらあら。帰りにきんぴらごぼう持たせてあげるわよ。」


ゆりこ「お母さんありがとう。私ちょっと寄りたい所もあるから、そろそろ行かないと。」


母「そう?分かったわ。」


母は冷凍庫からジップロックをたくさん取り出して袋に入れた。

それをアイヤに渡した。


アイヤ「ありがとうございます。奥様、こちらに魔法の扉を設置しますので、いつでも来て下さい。」


アイヤはカードを取り出して床に置いた。


アイヤ「魔法の扉コピー。」


ギラギラと輝く魔法の扉が出現した。


母「こんな高度なアイテムよく作れたわね?」


アイヤ「ゆりこさんのおかげです。」


母「ゆりこも強くなったのね?でもコピーって?」


アイヤ「年に一度しか使えない魔法なので。」


母「私の為にありがとうね?」


ゆりこ「じゃまたね?」


4人は街の探索へと出掛けた。


見るもの全てが新鮮なアルファとアルカはキョロキョロしていた。


そしてメモをしていた。


2人を見てアイヤはメガネを渡した。


アイヤ「瞬きをするとカメラの役割をしてくれます。写真を取り出す時は地面にメガネを叩きつけて下さい。そうすると瞬きで見た風景が写真として出てきます。無論、メガネは壊れないので無限に使えます。ゆりこさんもどうぞ。」


ゆりこもメガネをかけた。


ゆりこ「優れものね?」


アイヤ「アイディアを出したのは、ゆりこさんのお父様ですが。」


ゆりこ「お父さんならやりそう。」

ゆりこはクスクス笑った。


道を歩いていると、ゆりこの同級生らしき人がゆりこに気付いて駆け寄って来た。


?「ゆりこ?」


ゆりこ「みか、あずみ、ゆい。久しぶり。」


みか「今まで何処に行ってたん?」


あずみ「心配したんだよ。」


ゆい「行方不明になったってお母さんから聞いて私達も探したんだから。」


ゆりこ「ごめんね。でも今は元気で暮らしてるよ?」


みか「そうみたいだね?その人達は?」


ゆりこ「友達だよ。」


あずみ「ゆりこ…。」


みか「そっか。新しい友達出来たんだ。」


あずみ「私達はもう必要ないね。」


あずみ「みんな行こう。」


3人が行こうとした時、ゆりこは呼び止めた。


ゆりこ「私達4人は永遠の親友&同士!何かあれば相談する事!」


3人は振り向いた。


ゆりこ「私達が友達になった時に約束したルールだよね?」


3人は泣いてゆりこの元へと行った。

そして抱き締めた。


みか「本当に心配したんだからね。」


あずみ「そうだよ。」


ゆい「永遠の親友なんだからね。」


ゆりこ「みんなごめんね。ありがとう。」


たくさん抱き締めた後。


ゆりこは今までの事や実際に魔法を使って見せたりした。

3人はすぐに信用してくれた。


みか「なるほどね。」


あずみ「私達が街を案内するよ。」


ゆい「そうだね。見たい所があれば連れていくよ?」


ゆりこ「ありがとう。じゃまずは甘い物が食べたいな。」


みか「ゆりこらしいね?了解!さぁ皆さんも行きましょう!」


ゆりこの友達はアイヤ達の手を引っ張って連れていった。



~きんぴらごぼう~

材料

⚪笹がきごぼう 適量

⚪人参 1本

⚪料理酒 40cc


⭐砂糖 大1

⭐しょうゆ 大1

⭐みりん 大2

⚪ごま油 適量

⚪いりごま 適量


~作り方~

①人参はピーラーで皮を剥いて、千切りにする。


②フライパンにごま油を入れて、ごぼうと人参を炒める。


③料理酒、砂糖、しょうゆ、みりんを入れてしんなりするまで炒める。


④お皿に入れて、いりごまをかけたら完成。



ゆりこの両親は異世界で亡くなってしまい現代ではこうして生きています。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る