第35話 誕生日会当日

誕生日会当日の日。


ゆりこはサラと仕事終わりに料理を考えて結論が出た。


タワーのようなプラスチックの部品をたくさん馬車に乗せた。


食材は大量にあるので、たくさんの馬車に乗せて向かった。


ゆりこは誕生日会の前の日に仕事終わりにドレスを買いに行った。


真っ赤なドレスでスリットが入ったセクシーなものだった。

化粧も大人っぽくして赤いヒールを履いた。


サラは男なので白のタキシードを着た。


サラは馬車に乗ってる間、ゆりこが綺麗過ぎて見れないでいた。


ゆりこ「サラ?何で下向いてるの?体調悪い?」


ゆりこはサラの顔を覗き込んできた。


サラ「な…!何でもない!き…緊張してるだよ。」


ゆりこ「サラが?珍しいね?」


ゆりこは窓を眺めていた。


サラはゆっくり、ゆりこに視線を向けた。


普段のゆりことは違い大人っぽく艶やかな雰囲気が出ていた。


サラ「もう少し地味でも良かったんじゃないの?」


ゆりこはサラの方を振り向いた。


ゆりこ「可愛くない?」


サラ「可愛いに決まってる!だから心配なの!もぉ~知らない!」


サラは拗ねてしまった。


ゆりこ「何で怒るのよ。サラ…。」


サラ「だってそんなセクシーなドレス着てさ、誰かに声かけられたら嫌だもん。」


ゆりこ「長時間居ないし、サラが側に居るんでしょ?」


サラは軽く頷いた。


ゆりこ「ならサラが私を守ってね。」


サラ「当たり前よ!野獣には近付けさせない!」


ゆりこ「ありがとう。あっ!もうすぐで着くよ。」


2人は窓を見た。


大きな屋敷が見えてきた。


まだ誰も来ていなく、ゆりこ達が一番乗りだった。


馬車は屋敷の前に止まった。


執事が駆けつけた。


執事「申し訳ございません。準備でお迎えに行けず…。」


ゆりことサラは馬車から降りた。


ゆりこ「気にしないで下さい。」


執事「ありがとうございます。お綺麗になられましたね。お隣のお方は?」


サラ「サラロイドです。」


執事「なんと!滅びた国の王子だったとは…。」


サラ「今はただのサラロイドです。」


執事「もう国を再建しないのですか?」


サラ「僕の執事と話し合ってはいますよ。それより荷物を降ろすの手伝ってくれますか?」


執事「はい!分かりました!」


屋敷からたくさんの執事とメイドが来て荷物を降ろして誕生日会が行われるホールへ運んだ。


ゆりことサラも入って行き、チーズとチョコレートを2人で溶かして、プラスチックを設置して流し込んでいった。


続いてちらし寿司を作る作業に移ろうと調理場に行くと断られ追い出された。


執事が来た。


執事「どうしましたか?」


ゆりこ「料理を作りたくてね。」


執事「必要な物はありますか?」


ゆりこ「ある程度は持ってきましたが、まな板と包丁がなくて…。」


執事「かしこまりました。」


執事はまな板と包丁を2つずつ持ってきた。


サラ「さすがにホールで料理は無理なので、部屋はありますか?そこで作りますので。」


執事「ございます。こちらへどうぞ。」


ゆりことサラは執事に着いて行った。


小さな部屋に入った。


執事「私の部屋です。こちらで良かったらどうぞ。」


ゆりこ「ありがとうございます。」


執事「私はドアの前で待っていますね。」


執事は出ていった。


2人は海鮮や野菜を切っていった。


保温したご飯を取り出して桶に入れ、しゃもじで混ぜながらうちわで扇いだ。


その中に材料を入れてうちわで扇ぎながら混ぜた。


2人で飾り付けをして完成した。


ゆりこ「執事さん、出来ました。」


執事はちらし寿司をホールへ持っていきテーブルに置いた。


チーズ&チョコレートフォンデュには、フルーツ、パン、海鮮類を近くに置いた。


続々と参加者が集まって来た。


2人は端に寄って立ちながら人を見ていた。


ホールは人でいっぱいになりたくさんの料理も運ばれて来た。


主役のイマリお嬢様とイルラ王がやって来た。


ホールの一番奥に行きマイクの前に立った。


イマリお嬢様「皆さんこんにちは。今日は私の誕生日会へ来ていただき、ありがとうございます。ゆっくり楽しんでいって下さい。」


イルラ王は手を叩いた。


するとオーケストラの演奏が始まった。


イマリお嬢様にプレゼントを渡す人、料理を食べる人と分かれた。


端にいたゆりこ達を見つけて、イマリお嬢様は早歩きで来た。


イマリお嬢様「ゆりこさん?」


ゆりこ「執事さんが紙を貰って友人と来ました。」


サラ「サラロイドです。」


イマリお嬢様「えっ!サラロイド王子?失礼しました。私は、イマリと申します。」


ゆっくり頭を下げた。


サラ「頭を上げて下さい。僕はもう王子ではないのですから、気楽にサラと呼んで下さい姫様。」


頭を上げて手を握った。


イマリお嬢様「私…ずっと憧れていたのです。勇敢で頼れる王子だと聞いていました。」


サラ「誰がそんな噂を?」


イマリお嬢様「アイヤさんと言う方です。」


サラ「執事かぁ…。」


イマリお嬢様「色々とお話をしたいです。」


ゆりこ「行ってきなよ。私はブラブラしとくから。」


サラ「でも…。」


イマリお嬢様「嫌ですか?」


サラ「分かりました。」


イマリお嬢様はサラの手を握り近くの椅子に座り話を続けた。


ゆりこはバルコニーに行き空を眺めていた。


ゆりこ「magicstone…。どうやって見つけようかな。」


魔法の扉の鉱石の事を考えていた。


するとバルコニーに1人の男性がやって来た。


?「お1人ですか?」


ゆりこ「はい。どちら様ですか?」


イサリ「私の名はイサリです。イマリの兄です。」


ゆりこ「これはご丁寧に。私はゆりこと申します。ユアリア街から来ました。」


イサリ「イマリから聞いています。助けてもらっと。妹がお世話になったそうで、ありがとうございます。」


ゆりこ「いえいえ。」


イサリはゆりこの隣に来た。


イサリ「ここからの眺めはいいものですね。」


ゆりこ「はい。自然に囲まれていて癒されますね。」


イサリ「いつでも来ていいのですよ?」


ゆりこ「えっ?」


イサリ「ここは私の屋敷なので。妹に頼まれて急遽、用意致しました。」


ゆりこ「そうなんですか?」


イサリ「私は幅広い仕事をしていまして、屋敷は自分で設計して建てました。」


ゆりこ「凄いですね!」


イサリ「王の城には負けますがね…。」


2人は笑って楽しそうに話をしていた。


サラからその光景が見えてハラハラしていた。


イマリお嬢様に貴族の友人と庶民の友人がやって来た。


イマリお嬢様は席を立って迎え入れた。


しかし睨み遭っていた。


貴族A「イマリ様。お誕生日おめでとうございます。」


貴族B「変わらずお美しいですわ。」


貴族C「こちらは私達が用意したプレゼントです。」


貴族の友人の執事達が大きな銅像を持ってきた。


イマリお嬢様「私の銅像?」


貴族A「はい。気に入ってくれるとありがたいのですが。」


イマリお嬢様「凄い!ありがとう!」


イマリお嬢様は銅像をホールの中央に移動させてもらった。


庶民A「イマリちゃん。誕生日おめでとう!」


庶民B「私達からはこれをプレゼントするね?」


庶民C「みんなのお金で出し合って買ったの。良かったら貰ってね。」


桜のブローチだった。


イマリお嬢様は受け取りドレスに着けた。


イマリお嬢様「ありがとう!凄く可愛い!みんな楽しんでいってね?」


イマリお嬢様はサラの元へ戻っていった。


貴族A「桜のブローチ?はぁ?」


貴族B「安物を渡されて、イマリ様、傷ついたんじゃなくて?」


貴族C「私ならそんな安物、渡さないわ。恥を知りなさい。イマリ様の友人は私達だけよ?」


庶民A「誕生日に銅像の方がおかしいかと思いますけど?」


庶民B「同感です。銅像の方が嬉しくないかと。」


庶民C「私ならいりませんね。」


口論していた。


バルコニーからも光景が見えて、ゆりこはそこへ向かった。


ゆりこ「せっかくのお誕生日会なんですよ?喧嘩したら、お嬢様はどう思われますか?」


そう言われて口論を止めた。


ゆりこ「良ければ私が作った料理を召し上がって下さい、お綺麗なお嬢様方達。」


貴族も庶民も頷いて、チーズ&チョコレートフォンデュを食べた。


貴族ABC「美味しいですわ!」


庶民ABC「甘くて美味しい!」


両者はチラチラ見ながらモジモジしていた。


貴族A「先程はすみませんでした。」


庶民A「私達こそ言い過ぎました。すみませんでした。」


仲直りをして仲良く食べた。


イマリお嬢様はまたマイクの前に立った。


イマリお嬢様「それでは皆さん。急ですが、捜し物大会を行います!」


ザワザワしていた。


イルラ王がやって来た。


イルラ王「静粛に!捜し物はそれぞれ違う。問題も違う。今から紙を配る。それに従って動くように。上位5人に欲しい物を渡そう!」


執事とメイドが1人1人紙を配った。


イサリも貰った。


ゆりこはサラと合流した。


サラ「欲しい物…。」


ゆりこ「欲しい物か…。あっ!magicstoneの情報が聞けるかも。」


サラ「magicstone?」


ゆりこ「魔法の扉に使う鉱石よ。」


サラ「なるほど。」


イマリお嬢様「それでは捜し物大会始め!」


それぞれ問題を解き始めた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る