第34話 執事からのお願い事

次の日から現代に行き来が出来る魔法の扉の研究を始めた。


アイヤは研究に専念してもらい、ゆりことアルファとアルカとエナがお店を回す事にした。


朝から常連客や新規のお客さんが来て大賑わい。


ゆりことゆりこの料理目当てのお客さんばかり。

ゆりこ本人はお客さんから好かれてる事は分からない鈍感だが…。


途中からサラも手伝いに来た。


お客さんは決まって朝はサンドイッチとブラックコーヒーのセットを頼む人が多かった。

食べながら、ゆりこをチラチラ見ているが…。


お昼休憩になり、サラに厨房を任せてお店の外にあるベンチに座っていた。


すると、前に来ていたお嬢様の執事が走ってやって来た。


執事「ゆりこさん!お力をお貸し下さい!」


ゆりこ「ど…どうしたんですか?」


執事は紙をゆりこに見せた。



★~~イマリの誕生日会~~★


日時 今週の土曜日の午前10時


場所 イマリの部屋


※確実、料理やプレゼントを持ってくる事。


★~~~~~~~~~~~~~★


ゆりこ「お嬢様、誕生日なんですか?」


執事「はい!しかしこの誕生日会の紙を書いたのは、イルラ王でして、お嬢様に見つかってしまいましたが、既に紙を配った後でして…。中止には出来ずに誕生日会は大きな別荘でやる事になりましたが、お嬢様は人混みが苦手でして…。それに庶民のお友達も来るそうで…。」


ゆりこ「うーん…。私も行ってもいい?」


執事「それは構いませんが…。」


ゆりこ「じゃ、みんなが仲良くなれるような料理作って持って行くよ。」


執事「ありがとうございます。その際には私が迎えに行きます!」


ゆりこ「ありがとうございます。友人も連れて行ってもいいかな?」


執事「もちろんです!ドレスはお持ちですか?」


ゆりこ「この街にはないからね…。」


執事「ならばこのお店に行ってみて下さい。」


執事から紙を渡された。


ゆりこ「オーダードレスrein?」


執事「お嬢様御用達のお店です。」


ゆりこ「ありがとうございます。行ってみますね。」


執事「それではまた。」


執事は急いで帰っていった。


お昼休憩が終わりお店に戻って来た。


相変わらずお客さんは途絶えない繁盛さ。


サラとアルカとエナがお昼休憩に入った。


だんだんと夕方になるにつれてお客さんが少なくなっていき、最後のお客さんが帰ってお店を閉めた。


ゆりこ「今日もお疲れ様。ゆっくり休んでね?」


アルカ「はい!お疲れ様です。エナ行くぞ。」


エナ「お疲れ様です!はい、アルカ様。」


アルファ「お疲れ様です。また明日。」


3人は帰っていった。


サラも帰ろうとしたが、ゆりこが壁ドンをした。


サラ「えっ!ゆりっぺ?」


ゆりこはサラの目を見ていた。


サラ「ちょ…ちょっと待って。お店だよ?ダメだよ。」


ゆりこの顔がだんだん近付いてきた。


サラ「わ…分かった!私も同じ気持ちだからいいよ。ゆりっぺの気持ち受け取った!」


サラは目をつぶった。


ゆりこ「何の事?」


サラは目をゆっくり開けた。


サラ「えっ!」


ゆりこ「サラ、相談に乗ってほしいんだけど。」


サラ「何だ相談か。何?」


ゆりこはサラに執事の事を話した。


サラ「ワイワイ楽しめる料理?ちらし寿司とか?」


ゆりこ「いいね!後は後は?」


サラ「チョコレートフォンデュとかチーズフォンデュとかは?」


ゆりこ「いいかも!ありがとう!」


サラ「ゆりっぺも行くの?」


ゆりこ「もちろん!ドレスも着るんだよ!」


サラ「私も行く。心配だし。」


ゆりこ「サラも行ってくれるの?ありがとう!」


ゆりこはサラを抱き締めた。


サラ「次抱き締めたら離さないからね?ゆりっぺ。」


ゆりこ「ん?何か言った?」


サラ「何でもない。そろそろ帰らないと。」


抱き締めた手を離して帰っていった。


二階で魔法の扉の研究をしているアイヤに声をかけた。


ゆりこ「どうかな?」


アイヤ「ゆりこさんお疲れ様です。うーん…。やはり魔力を大量に使わないといけないですね。減少するにはある特殊な鉱石がいるんです。あまり手に入らなくて…。でもそれさえあれば、その鉱石と魔力を合わせた新しい魔法が作れるんです。」


ゆりこ「鉱石の名前分かる?」


アイヤ「magicstone。魔法の石と言われます。」


ゆりこ「分かった。私も調べとくね。」


魔法の扉の研究は息詰まっていた。

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