第30話 アイリスの狙い
眠っていたアルファとアルカが目を覚ました。
リディック王は2人に問いただした。
リディック王「何があった!」
アルファ「世界的ドロボーアイリスが現れて…。」
アルカ「ゆりこさんをさらわれてしまいました。」
リディック王「アイリスだと!また現れたか…。しかしアイリスは宝石を狙うドロボーじゃなかったのか?」
アルファ「宝石はもうほとんどアイリスの屋敷にあります。」
リディック王「何故ゆりこさんを…。よし!私はアイリスの屋敷へ向かう!場所を知っている者はいるか?」
アルファとアルカが手を上げた。
アルファ「昔に城に侵入されてから2人で屋敷を調べました。」
リディック王「分かった!後の事は頼んだ!」
リディックとアルファとアルカは歩いて屋敷へ向かった。
一方捕らわれたゆりこは高価な物ばかりが並ぶ部屋に隔離されていた。
目を覚まして辺りを見渡した。
ゆりこ「どこ…。」
アイリスが入って来た。
ゆりこ「あなたはお店に来た…。」
アイリス「アイリスと申します。手荒な真似をしてすみません。私の執事が私に恋人が出来たとはしゃいでしまい、あなたを連れてきたみたいで…。」
アイリスは深々と頭を下げた。
ゆりこ「そうだったの。それにしても高価な物ばかりね?それに綺麗な宝石も…。」
アイリス「私が集めましたの。」
ゆりこ「デートはどうする?」
アイリス「予定変更で私の屋敷でもいいですか?」
ゆりこ「分かったわ。男装をしたらいいのよね?」
アイリスは袋を渡した。
アイリス「用意しました。」
受け取り奥で着替えて来た。
タキシード姿のゆりこが出てきた。
アイリス「やっぱり!私の亡くなった恋人に瓜二つ。」
ゆりこ「亡くなったの?」
アイリス「随分前に亡くなりました。ゆりこさんそっくりだったので…。」
ゆりこ「そっか。今日1日楽しみましょう!」
アイリス「はい!私も着替えて来ますのでお待ち下さい。」
アイリスは部屋から出ていった。
ゆりこはショーケースに飾られた宝石を見ていた。
ある宝石を見て足が止まった。
ゆりこ「これ…。私のお母さんが昔失くしたブレスレットにはめ込んできた宝石に似てる…。似すぎてる。」
ショーケースはアイリスの鍵じゃないと開けれなく、ゆりこは開けるのを諦めた。
白いドレスを着たアイリスが帰って来た。
アイリス「お待たせしました。どうですか?」
ゆりこ「綺麗ですよ?」
アイリスは顔を赤くしていた。
アイリス「あ…ありがとうございます。お庭にでも行きませんか?」
ゆりこ「いいですよ。」
ゆりこはアイリスの手を握り庭へ行った。
アイリスの屋敷の庭は広くて迷子になりそうな程だった。
庭の中央へ行き用意された紅茶とケーキを椅子に座り飲んで食べた。
ゆりこ「美味しい!この紅茶初めての味。」
アイリス「薔薇のこれです。紅茶専用の薔薇を少し育てていて、来客された方に振る舞っています。ハチミツを少し入れるとより美味しくなりますよ?」
ゆりこはハチミツを入れた。
ゆりこ「甘くなったけど薔薇の香りはそのまま。ケーキにもよく合いますね。」
アイリス「ありがとうございます!もっと飲んで下さいね!そうだ!私のコレクションを持って来ます、待ってて下さい!」
アイリスは屋敷へ入って行った。
ゆりこ「アイリスって名前何処かで聞いたような…。それに宝石が引っ掛かる。何とかして見せてもらわないと。」
アイリスはショーケースにある宝石を全部箱に入れて持って来た。
アイリス「これは私のコレクションなの。」
箱を開けて見せた。
ゆりこ「輝いていますね。」
アイリス「私が必死に集めたの。」
アイリスは一つずつ説明をした。
そして、ゆりこのお母さんがはめていた宝石の説明をし始めた。
アイリス「これが一番手こずったの。ある人が手首にはめていたの。異世界神出名前が、ゆかりさんだったかな。その人が私にくれたの。綺麗でしょ?」
ゆかりと言う名前は、ゆりこのお母さんの名前だった。
ゆりこはその宝石を奪い逃げて行った。
アイリス「待ちなさい!ドロボー!私のコレクションを返しなさい!」
アイリスはゆりこを追い掛けた。
すると、リディックとアルファとアルカが屋敷に忍び込んでこっちに向かって来た。
アルファ「ゆりこさん!ご無事ですか?」
ゆりこ「大丈夫よ。」
アルカ「早く逃げましょう!」
リディック「この近くに使われていない家がある!そこに避難だ!」
4人は家に避難した。
アルファとアルカはアイリスの事をゆりこに話した。
アルファ「アイリスは女性を愛する人で真実の愛を見つけたら、盗んできた宝石と愛した人と共に死ぬと噂で聞きました。」
アルカ「昔に城にアイリスが入り城の貴重な宝石を盗まれました。その時に私のメイドをしていた者も一緒に。」
ゆりこ「そうだったの。」
ゆりこが奪った宝石が光出しブレスレットになった。
ゆりこ「やっぱりお母さんのブレスレットだった…。」
リディック「亡くなったお母さんのブレスレットですか?」
ゆりこ「うん。私の誕生日にあげるって言われて。誕生日がくる前に亡くなり、ブレスレットが消えてしまったの。」
家の扉をアイリスがドンドンと叩いてきた。
アイリス「ここに居るのは分かってるのよ!私の宝石を返しなさい!」
ゆりこ「この宝石は私のお母さんの物よ!あなたこそドロボーじゃない!」
アイリス「えっ…。ねぇ私を愛してくれるんじゃなかったの。愛した人にドロボー呼ばわりじゃ私は生きる意味がもうない…。」
そして数分後。
何の音もなくなり、ゆりこは扉をゆっくり開けた。
そこには白い灰とアイリスが着ていたドレスがあった。
ゆりこ「どうゆう事…。」
?「フフフ…。私のおもちゃがもう消えちゃったな。」
空を飛んでる少女がいた。
ゆりこ「誰!」
ルフナ「私?ルフナ。また会いましょう、ゆりこさん。」
そう言って消えた。
家から3人も出てきた。
リディック「闇の魔法使いか。」
ゆりこ「闇の魔法使い?」
アルファ「人を操ったり、死んだ人を一時的に蘇らせたり出来ます。」
アルカ「それでアイリスは蘇ったんでしょう。」
アイリスのコレクションの箱を拾ったゆりこ。
ゆりこ「宝石…。返さないとね。」
リディック「ならば宝石を持ち帰り、ユアリア街に主を招待しましょう。」
ゆりこ「分かったわ。屋敷のメイドは?」
アルカ「居たんですか?」
ゆりこは頷いた。
アルカは走って屋敷に行き門で座っているメイドがいた。
アルカ「エナ?」
エナ「えっ!アルカ様…。」
アルカ「約束は守るって言っただろ?帰ろう?」
エナ「はい。」
アルカはエナの手を握り、ゆりこと合流してユアリア街へ帰った。
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