第28話 城の紋章とゆりこ特性のカツサンド

料理大会本選2回戦が終わり、サラはアイヤと共に1日旅をした。


自分の正体を思い出す為に。


アイヤは城の近くに結界を張った小屋を創っていた。


そこへサラを案内した。


アイヤとサラは小さな小屋に着いた。


サラ「小さな小屋ね?」


アイヤ「見かけはそうですが、地下もありますよ?地下は城の書庫に続いています。さぁ入りましょう。」


扉を開けて入ると、小さなテーブル、椅子、ベッドしかなかった。


サラ「地下はどこ?」


アイヤはカーペットを取った。


そこには扉があった。


扉を開けると長い階段が続いていた。


サラ「本当に地下があったのね。」


アイヤ「昔に掘りました。結界をしたのは最近ですが。」


アイヤはロウソクに火を着けてサラと降りていった。


長い階段を降りると、鉄の扉が見えた。


サラ「この扉は?」


アイヤ「書庫に行く扉です。この扉は特殊で、王様、お妃様、私アイヤじゃないと開かないようになってます。」


アイヤは小さな袋から青い玉を出して窪みに嵌め込んだ。


すると鉄の扉がゆっくり開いていった。


そこにはたくさんの本が並んでいた。


アイヤはロウソクを消して電気を着けた。


サラ「凄い量の本。」


アイヤ「ゆっくり見てください。私も調べものがあるので。」


そう言ってアイヤは書庫の二階に上がっていった。


サラは近くにあった本を開いて読んだ。


2月12日 日曜日 晴れ


今日は愛する妻と近くへ散歩に行った。


途中で空から男の子が落ちてきた。

心配して歩みよろうとしたら、魔法使いが現れて、男の子を赤ちゃんにした。


魔法使いはそのまま消えてしまった。


見過ごす事は出来ないので、私達は赤ちゃんを拾って、城へ連れて帰った。


そして愛情をたくさん注いであげた。

その間にどうすれば元に戻るのか調べたが分からなかった。


今は大人になるまで育てようと思った。


サラ「私の事だ!」


サラは次のページをめくったが何も書かれていなかった。


本を直して隣の本をめくると、アイヤが書いた日記があった。

パラパラめくっていくと一番最後にサラの事が書いてある日記を見つけた。


3月20日 月曜日 曇り


今日はサラロイド王子の成人の日。


私はサラロイド王子の腰に紋章を書きました。

これで立派な王子になりました。


可愛らしい姫様もいて、幸せそのものです。


サラ「紋章?後で見てみよう。」


次のページをめくった。


4月1日 火曜日 雨


ごめんなさい。

王様、お妃様、姫様を助けれなかった。


私が弱いばかりに…。


でも王子は助けたので私がお守りします!


サラ「城が滅んだ時よね。」


次のページをめくった。


4月10日 木曜日 晴れ


サラロイド王子…。

申し訳ございませんでした。


あなたを守れなかった。


崖から…。

崖から…。


どうか無事でいてください!


サラ「崖から落ちた時かな。」


二階からアイヤが降りてきた。


アイヤ「何か思い出しましたか?」


サラ「まだ…。」


サラが持っていた日記をアイヤは奪った。


アイヤ「読んだのですね。悲しい事ばかりなので、読んでほしくなかった。」


サラ「でも色々分かった。私の第2の家族が優しかった事。アイヤさんが私を大事に思ってくれた事。最後の日記の続きは?」


アイヤ「ゆりこさんと出会って街を創って料理大会の予選の時に、サラロイド王子にやっと会えました。とても嬉しかったです。」


アイヤは涙を浮かべていた。


サラはハンカチを渡した。


サラ「でも何で崖から落ちたのに生きていたのかな。」


アイヤ「私には分かりませんが、奇跡としか言えません。」


サラ「そっか。これからもここに来てもいい?」


アイヤ「もちろん!その時はお供します!」


サラ「ありがとう。城って魔物の住みかになってるって言ってたけど、今はいないの?」


アイヤ「夜に活動する魔物なので。」


サラ「なるほどね。」


アイヤ「それでは帰りましょう。レックス街へ送って行きます。」


サラ「ユアリア街に連れていって。ゆりっぺにも話したいし。」


アイヤ「分かりました。」


アイヤは書庫の電気を消して、ゆっくり扉を閉めて、青い玉を取り袋に入れた。


ロウソクに火をまた着けて階段を上がっていった。


小屋に着いて扉を閉めてロウソクの火を消した。


小屋に鍵をかけてユアリア街へ帰っていった。


ゆりこは2人が出掛けた後に厨房でカツサンドを作っていた。


黒い板で材料を言いながら、黒いカードをかざした。


材料が出て来てさっそく調理を始めた。


油がはねて避けながら揚げていた。


数分後。

2人が帰って来た。


アイヤ「ただいま戻りました。」


サラ「ゆりっぺ。話があるの。」


ゆりこ「お帰りなさい。何?」


本に書かれた通り言った。


ゆりこ「そうだったの。でも少しずつ真相が見えてきたんじゃない?」


サラ「うん。私が何者なのかもっと知りたいから少しの間、アイヤさんを借りたいの。」


ゆりこ「いいわよ。アイヤ、サラの事お願いね?」


アイヤ「分かりました!」


ゆりこは2人にカツサンドを出した。


ゆりこ「お腹空いたでしょ?」


2人は頷いた。

一口食べた。


サラ「お肉美味しい!喫茶店のメニューなの?」


ゆりこ「メニューにしようか考えてる。」


アイヤ「メニューにすべきです!お肉がジューシーで美味しいです!」


ゆりこ「ありがとう。考えとくよ。」


サラ「1つ思ったんだけど、喫茶店じゃなくて、喫茶&レストランにしてみたら?ゆりっぺ料理上手いんだから!」


ゆりこ「レストラン?」


サラ「うん!レパートリーも増えていいと思うよ?」


ゆりこ「そうね…。お客さん増えるのは嬉しいからそうしようかな!」


サラ「決定だね!アイヤさん、看板代えてくれる?」


アイヤ「はい!」


アイヤは外に出て看板を、喫茶&レストランに代えた。


ゆりこは外に出て見た。


ゆりこ「いい感じね。少し寂しくなるね。」


アイヤ「えっ!」


ゆりこ「常に一緒だったから、ちょっとね…。」


アイヤは優しくゆりこを抱き締めた。


アイヤ「すぐに戻りますよ。だから待っててください。」


ゆりこ「うん。」


サラは自分の腰にある紋章を鏡を使って調べていた。


サラ「確かにある。綺麗な紋章。」


カツサンドを食べ終えて、サラとアイヤはレックス街へ帰っていった。



~カツサンド~

材料

⚪食パン 4枚

⚪豚ヒレ 150g

⚪塩コショウ 少々

⚪小麦粉 適量

⚪溶き卵 適量

⚪パン粉 適量

⚪ソース お好みで


~作り方~


①豚ヒレ両面に塩コショウする。


②小麦粉→溶き卵→パン粉の順番で着けて、170℃の油で揚げる。


③きつね色になったら上げて、食べやすいサイズに切る。


④食パンを半分に切ってソースを塗り、豚ヒレを入れてサンドしたら完成。


※千切りしたキャベツ、マスタード入れても美味しいよ!

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