第27話 料理大会2回戦開始! サラの正体

いよいよサラの料理大会2回戦が始まる日になった。


サラは緊張していた。

パートナーはまだ決めていなかった。

当日に決める予定だった。


始まる20分前。


サラのお店に、ゆりことアイヤが来た。


ゆりこ「サラ。応援しに来たよ!」


アイヤ「サラさん。僕も来ましたよ。」


サラ「ゆりっぺ、アイヤさん…。」


ゆりこ「どうしてもアイヤが見に行きたいって言って、アルファの代わりに来たの。」


サラ「そっか。じゃ、アイヤさん。私のパートナーになってくれる?」


アイヤ「私でいいのですか?」


サラは頷いた。


ゆりこ「アイヤ、頑張りなさいよ!」


アイヤ「はい!」


サラとアイヤは材料を持って、城の門の前に来た。


隣はサラをライバル視をしている女の子だった。


門が開いて2人は調理ステージへ案内された。


そしてキッチンに立った。


数分後。レックス王と年老いたおじいさんがやって来た。


レックス王「料理大会本選2回戦へようこそ。今回のテーマは、コーヒーに合うお菓子だ!審査員は、私のおじいさんだ。」


おじいさん「こんにちは。今回は私の好きなコーヒーに合うお菓子を振る舞ってくれると聞いてやって参りました。だが甘すぎるお菓子は苦手でね…。」


レックス王「制限時間は1時間だ!」


鐘が鳴り響いた。


レックス王「調理開始!」


2チームは調理を始めた。


街には大きな大画面で放送された。


サラは段取りをアイヤに説明しながら一緒に作り始めた。


チョコチップを出そうとしたが、アイヤが止めた。


サラ「何?」


アイヤ「マフィンに砂糖が入るので普通のチョコチップを入れますと、審査員が苦手な甘いお菓子になりますので、こちらをお使いください。」


アイヤはダークチョコチップを渡した。


サラ「用意してたの?」


アイヤ「ゆりこさんが話していましたから。」


サラ「ありがとう、使わせてもらうわ。」


サラはダークチョコチップを入れてよく混ぜて、型に流し込んだ。


アイヤは始まってすぐにオーブンを温めてくれた。


使い終わった物を片付けて、後は焼き上がるのを待つのみとなった。


隣のチームはケーキを作っていた。


相手も焼き上がるのを待つのみとなって話かけてきた。


クコ「私の名前はクコ。サラさんの料理いつも完璧そのものですが、今回の料理大会は私がストレートに勝って勝ちまくる大会ですわ。敗北しても恨まないでくださいね?」


サラは無視してオーブンをアイヤと見ていた。


クコ「この私が話しかけてるのに無視?いい度胸ですね?余裕の現れですか?まあ勝つのは私なのでいいんですけどね。」


クコが話終わると両者のオーブンが焼き上がりのタイマーが鳴った。


クコはパートナーの女の子と手際よく出して粗熱を取り、デコレーションを始めた。


サラはゆっくりマフィンを取り出して、事前に用意したコーヒーとチョコレートを合わせた物を乗せて完成した。


同時に鐘が鳴った。


レックス王「そこまで!手を止めて作ったお菓子を持ってくるように!」


クコとサラはおじいさんの前に出した。


メイドが来てコーヒーを置いていった。


おじいさん「どちらもいい香りですね。」


レックス王「おじいさん、まずはクコさんのケーキを召し上がってください。」


おじいさんは頷いてフォークで切って一口食べ、コーヒーを飲んだ。


おじいさん「んん…。うまいが…。」

険しい顔をしていた。


クコ「お口に合いませんでしたか?」


おじいさん「私の為に作ったお菓子なのかい?」


クコ「テーマはコーヒーに合うお菓子だったので、それならケーキが一番かと思いまして。私もコーヒーは好きなので、いつもケーキを食べながら飲んでますの。」


おじいさん「そうか…。」


レックス王「次にサラさんが作った…。これはなんだい?」


サラ「チョコチップマフィンです。」


レックス王「チョコチップマフィンを召し上がってください。」


おじいさんはフォークを入れて食べコーヒーを飲んだ。


おじいさん「んん…!これはうまい!まさにコーヒーに合うお菓子だ!このチョコレートも甘過ぎないし、この上に乗ってあるコーヒーのようなチョコレートもうまい!」


サラ「ありがとうございます。とっさの判断で、パートナーが気付いてくれて、普通のチョコチップじゃなく、ダークチョコチップにしました。パートナーには感謝しています。」


おじいさん「良いパートナーを持ったな。」


レックス王「おじいさん、どちらが今回のテーマに合うお菓子を作りましたか?」


おじいさんは椅子から立って、サラの元へ行き手を握り締めた。


おじいさん「もちろん!サラさんのチョコチップマフィンだ!」


サラ「ありがとうございます。」


レックス王はサラにバッチを渡しエプロンに着けた。


クコ「ちょっと待って下さい!納得出来ません!コーヒーにはケーキが一番合うはず!あなた味覚がおかしいのではないですか?」


おじいさん「味覚は正常だかなにか?とっさの判断で、サラさんは甘過ぎないチョコチップマフィンを作った。だが、クコさんは私の事を考えずに自分が美味しいからと出した。どう違うか分かるはずだか?」


クコ「私が負けるはずなんて…。何かの間違いよ…。何かの…。」


おじいさんはチョコチップマフィンをクコに渡した。


おじいさん「一口食べてみるといい。」


クコは一口食べた。


クコ「美味しい。甘過ぎないマフィン…。」


クコは悔し涙を浮かべてパートナーと帰っていった。


サラはアイヤと城を出た。


街の人達はサラに花びらを投げて拍手した。


ゆりこの元へ来た。


ゆりこ「おめでとう!サラ!」


サラ「ありがとう。ゆりっぺ。ゆりっぺのおかげだよ。」


ゆりこ「サラ、頑張ってたもんね。」


サラ「あのね、ゆりっぺ。ゆりっぺに果たしておきたい事があるの。」


ゆりこ「ん?いいよ。」


サラはアイヤとゆりこと自分の店へ案内して入り椅子に座った。


ゆりこ「アイヤも関係がある事?」


アイヤ「はい。私からお話します。」


アイヤは事の真相をゆりこに全部話した。


ゆりこ「サラ、王子だったの?」


サラ「みたい…。私も記憶が曖昧で思い出せないけどね。」


アイヤはとある写真を2人に見せた。


家族写真が写っていた。

サラが着けているネックレスやブレスレットと同じだった。

そして顔もそっくりだった。


アイヤ「肌身離さず持っている写真です。ネックレスやブレスレットにはある仕組みがあります。」


サラ「仕組み?」


アイヤ「私が着けているネックレスも同じ物です。ネックレス同士くっつけると、光出して、国の虎の紋章が浮き出ます。」


アイヤはネックレスをくっつけた。


光出して虎の紋章が浮き出てきた。


そして王様とお妃が微笑む姿が現れた。


すぐに消えてしまった。


サラ「私の第2のお父さんとお母さん?」


アイヤ「そうなりますね。」


ゆりこ「でもさ写真には、アイヤ写ってないよね?まさか、このイケメン執事がそうなの?」


アイヤ「はい。色々と調べたら、大切な人ともう一度会えたら呪いは解けるみたいで。元の姿に戻ります。」


赤く光出して、写真に写っていたイケメン執事に戻った。


そしてサラをギュと抱き締めた。


アイヤ「1人にしてしまい申し訳ございませんでした。これからは傍に居ます!」


サラ「ちょっと…。離して!あなたはこれからも、ゆりっぺの傍にいて!」


アイヤ「いいのですか?」


サラ「あなたもゆりっぺが好きなんでしょ?ライバルがいると嫌なの!」


アイヤ「分かりました。」


アイヤはスタスタ帰っていった。


1枚の写真を落として。


サラはそれを拾った。


そこには崖でサラとアイヤが2人で写ってる写真があった。


サラ「これ…。ん?何か見覚えが…。」


急に頭が痛くなった。

思い出そうとするとこうなる。


ゆりこ「大丈夫?」


サラ「うん。けど何か思い出しそう。」


ゆりこ「そもそも何で記憶がないの?」


サラ「それが分からなくてね。」


ゆりこ「ゆっくり思い出そう?」


サラ「うん。」


なかなか思い出せずにいたサラだった。

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