第21話 紋章の力といちごのアイスクリーム

その日の夜中。


紋章の力により、ゆりこは目を覚まして何処かへ歩き出した。


そして着いた所は森の中にある洞窟の中だった。

紋章の力が消えて、ゆりこは辺りを見渡した。


ゆりこ「ここは?何で私ここにいるの。」


すると風と共にララが来た。


ララ「お待ちしておりました。」


ゆりこ「ララさん?」


ララ「はい、名前を覚えてくださり、ありがとうございます。」


ゆりこ「ここは?」


すると奥から黒いドレスを着た女性が来た。


?「こんにちは。」


ゆりこ「こんにちは。」


アイリ「私の名前はアイリと申します。どうしてもあなたの力を貸してほしくて、ここに連れてきました。」


ゆりこ「私の力?」


アイリ「あなたは魔法使いですね?」


ゆりこ「魔法使いではないけど、魔力を使う事は出来るわ。」


アイリは白い包みを持ってきて広げた。


そこにはたくさんのネックレスがあった。


ララ「このネックレスの結晶には私達の仲間の魔力が込められています。実は少し昔にこの森に、白いドラゴンが現れて、強い魔力により私達の仲間が食べられてしまいました。食べられる前に仲間達は自分達の魔力をこの結晶に残していきました。

白いドラゴンは強力な魔力の魔法を使うと食べられた者が無傷が帰ってくると聞きましたが、私達2人の魔力では足りなくて…。」


ゆりこ「協力してほしいという事ですか?」


アイリ「はい。。結晶に込められた仲間達の魔力がここにあるという事は、魔力までは食べられていないという事。私達、魔法使いは魔力をなくしてしまうと消滅してしまいます。私はもうそこまで魔力がないので、仲間達を助けた後は消滅してしまう恐れもあります。」


ゆりこ「分かりました。協力します。それと、アイリさんを消滅させたりしません。それも考えますので、無駄な魔力は使わないようにして下さい。分かりましたか?」


アイリ「はい。。ありがとうございます。」


アイリは泣いて感謝した。


ララ「ありがとうございます。」


ゆりこ「まずは仲間達の救出だけど、白いドラゴンの巣って分かる?」


ララ「隣の山の頂上が巣です。」


ゆりこ「なら行きましょう!」


アイリ「待って下さい。あの山付近は魔力を吸いとられる魔法がかかっています。命を落としに行くようなものです。」


ゆりこ「なるほど。ならばそれを阻止する魔法を考えましょう。でも一度帰らないと心配するのでまた後日伺います。」


アイリ「分かりました。私達も考えておきます。」


ララはゆりこの手を握り風の魔法を使い、喫茶店の2階に連れてきた。


ゆりこ「ありがとう。」


ララ「お礼を言うのはこちらです。ありがとうございます。それではまた。」


風の魔法を使い帰っていった。


ゆりこはそのまま就寝した。


次の日、いつものように喫茶店を開いた。


お客さんは相変わらず多くて、またてんやわんや状態だった。


お昼は交代して食べて、午後になった時。

とある事件が起こった。


ララが喫茶店に急いでやって来た。


ララ「ゆりこさん!アイリさんが…。アイリさんが…。」


ゆりこ「どうしたの!」


ララ「昨日、ゆりこさんが帰った後に白いドラゴンが来て、アイリさんをさらって行きました。」


ゆりこ「何ですって!」


事態が読めない、アイヤ、アルファ、アルカ。


ゆりこは事情を3人に話した。


そこで初めて、ゆりこが魔法を使えると知ったアルファとアルカは何故か距離を置いていた。


アイヤ「お店はいいので行って下さい!」


ゆりこ「ありがとう。」


ゆりこはララと共に山へ向かった。


アイヤ「お客さんが来るので、剣はしまって下さいね?アルファさん、アルカさん。」


2人は剣を抜こうとしていたのだ。

すぐにしまった。


そして午後からもお客さんがたくさん来て、3人で夕方まで頑張った。


閉店の時間になりお店を閉めた。


帰る2人をアイヤは呼び止めた。


アイヤ「ゆりこさんを切ろうとしましたね?何故ですか?」


アルファ「すみません。昔、祖父が魔法使いに殺された事がありまして…。」


アルカ「とっさに危ないと思ってしまい、剣を抜こうとしました。」


アイヤ「そうですか。ゆりこさんを信じれなくなりましたか?」


アルファ「そういう訳では…。」


アルカ「魔法使いは僕達の敵なんです。」


アルファ「アルカ…。」


アルカ「ゆりこさんが魔法使いならば、また剣を抜くかもしれません。」


アイヤ「そっか…。じゃ冷凍庫に入ってる冷たい食べ物、ゆりこさんがどんな気持ちで作ったのか分からないよね?」


アイヤは冷凍庫から、いちごのアイスクリームを2つ出した。


アイヤ「食べてみたら?」


アイヤは2人にスプーンを渡した。


アルファ「でももし毒が入っていたら…。」


アルカ「魔法使いは僕達の顔を知っているから、それもあり得ます。」


アイヤ「もし、ゆりこさんが魔法使いだったら、とっくに魔法であなた達を殺していたはず。でも一緒に喫茶店で働いた仲間でしょ?アルカさんもアルファさんも誰に助けてもらったの?」


2人はスプーンで、いちごのアイスクリームをすくって食べた。


アルファ「この味…。」


アルカ「おじいさんが作ってくれた、冷たい食べ物と同じ味。」


アイヤ「ゆりこさんは城に潜入した時にとある日記に書いてあったレシピを再現してくれたのよ?2人の為に。」


アルファ「俺の日記だな。」


アルカ「でも俺は…。」


アイヤ「まだ信じれないの?2人にとって、ゆりこさんは何だったの?」


2人を喫茶店から追い出した。


アルファ「信用してないのは俺達だな。アルカ。」


アルカ「いきなり魔力が使えるって、ゆりこさんに言われても…。」


アルファ「そうだな。けど、ゆりこさんは俺達を信頼していた。信頼していたゆりこさんに向けて剣を抜きそうになった。やってはいけない事をした。」


アルカ「信頼を裏切ってしまいましたね。兄さん、久々に祖父のお墓に行きませんか?もしかしたら、俺達の敵の魔法使いがいるかもしれません。魔法使いは遠くからでも、鼻が効くみたいなので、行っても損はないはずです。待ち伏せして敵討ちしましょう!そうすれば二度とゆりこさんに剣を抜く事はなくなります。」


アルファ「分かった。行ってみよう。」


2人は森の奥へと行ってしまった。



~いちごのアイスクリーム~

材料

⚪生クリーム 200cc

⚪練乳 40g

⚪いちご 好きな量


~作り方~

①いちごはへたをとり、食べやすいサイズに切る。


②生クリーム、練乳をボウルに入れてツノが立たないくらい泡立てる。


③その中にいちごを入れて混ぜて、タッパーに入れて冷凍庫に入れる。

固まれば完成。

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