第20話 思い出のビーフシチュー
朝からお客さんが殺到していた喫茶店。
それにお客さんは決まって、おにぎりをみんな頼んできた。
アルカも加わり4人体制で、おにぎりを作った。
手が空いた人は注文を聞きに行ったりレジをしたり、食器を片付けたりをした。
またあのお嬢様が噂を流したのだ。
夕方までお客さんが殺到して、お昼を抜いてしまいみんなは空腹寸前だった。
客足が少なくなり、ゆりこはある料理を作り始めた。
黒い板に欲しい食材を言い、食材を受け取り黒いカードをかざした。
厨房に入り下準備を始めた。
アイヤ「何を作るのですか?」
ゆりこ「これは、賄いよ?みんなお昼抜いて頑張ってたしね。」
アイヤ「ありがとうございます。」
ゆりこ「ビーフシチューを作ってるの。」
アイヤ「ビーフシチューですか?どんな料理ですか?」
ゆりこ「スープ料理かしら。まあ期待してて、美味しいの作るから。」
アイヤ「はい。」
お客さんが徐々に帰っていき閉店5分前になった時が1人の女性が入って来た。
赤いローブを着けた怪しい女性だった。
アルファ「いらっしゃいませ。」
女性「まだ料理を食べれますか?」
アルファ「はい!どうぞ、お席へご案内します。」
アルファは女性を窓際に座らせた。
アルカは氷水をコップに入れて女性の前に出した。
女性「ありがとうお兄さん。さっそくだけど、料理を頼んでいいかしら?」
アルファ「はい。」
女性「私、昔に母が作ってくれたスープを味わいたくてね。」
アルファ「スープですか?」
女性「名前が分からないけど、作れるかしら?」
アルファ「少々お待ち下さい。」
アルファは厨房へ行き、ゆりこに相談をした。
アルファ「お客さんが来てるのですが、僕ではちょっと分からないので、来てくれますか?」
ゆりこ「分かった!」
ゆりこは火を止めてお客さんの所へ来た。
ゆりこ「お待たせしました。ゆりこと申します。どのような料理でしょうか?」
女性「ごめんなさいね?お肉や野菜が入った茶色いスープだったの。分かるかしら?」
ゆりこ「それに近いスープなら今作っていますが、お召し上がりになりますか?」
女性「お願いします。」
ゆりこ「もう少し時間がかかるので、お待ち下さい。」
ゆりこは厨房へ戻りまた火を付けて料理を始めた。
アルファ「分かりましたか?」
ゆりこ「まあこの料理なのか分からないけど、出してみるわ。」
アイヤ「どのような料理をオーダーしたのですか?」
ゆりこ「お肉、野菜が入った茶色いスープ。思い付くのは、ビーフシチューしかなかったから。」
アイヤ「そうでしたか。」
ビーフシチューをゆっくり煮込み始めた。
待たせてはいけないと思いアルファが居なくなった時に、時間の魔法を唱えた。
ゆりこ「時間を経過せよ。3時間に。」
時計も一緒に回り3時間後。
ビーフシチューが完成した。
深いお皿にビーフシチューを注いで、おぼんにスプーンと一緒に乗せて持っていった。
お客さんの前に出した。
ゆりこ「お待たせしました。ビーフシチューになります。熱いのでお気を付けて下さい。」
ゆりこは厨房へと戻り賄いを3人に食べさせた。
女性はスプーンでスープをすくい飲んだ。
女性「なにこれ…。美味しい。どことなく母のスープに似てる。」
お肉も一口食べた。
女性「お肉柔らかい。味がちゃんと染み込んでる。」
野菜も一口食べた。
女性「芋はホクホクして柔らかいし、人参が甘い。」
母のスープを思い出し泣きながら完食した。
ハンカチで口を拭いて、ゆりこを呼んだ。
女性「母のスープに少し似ていました。美味しかったです。私はララと言います。良ければこの紋章をお受け取り下さい。体に着けると、商売繁盛となります。」
紋章の紙を渡した。
ゆりこ「ありがとうございます。」
ゆりこは腕に紋章を貼った。
ララはお金を渡して帰っていった。
ララは外から、ゆりこの様子を監視する事にした。
ゆりこも賄いのビーフシチューを食べた。
見知らぬ紋章を3人はまじまじと見ていた。
アイヤ「この紋章は何ですか?」
ゆりこ「さっきのお客さんから貰ったの。商売繁盛のお守りみたいなもんかな。」
アルファ「それは良かったですね。」
アルカ「もっと忙しくなりそうですね。」
ゆりこ「いい事じゃない?」
みんな楽しそうに食べていた。
紋章の本当の力を知らずに。
~ビーフシチュー~
材料
⚪牛肉 500g
⚪玉ねぎ 1個
⚪人参 1本
⚪デミグラスソース 1缶
⚪赤ワイン 適量
⚪水 300cc
⚪コンソメ 適量
⚪バター 適量
⚪ケチャップ 適量
⚪塩コショウ 少々
~作り方~
①玉ねぎと人参は皮を剥いて乱切りにする。
②牛肉は食べやすいサイズに切る。
③鍋にバターを入れて、牛肉と玉ねぎと人参を入れて炒める。
④赤ワインを入れてアルコールを飛ばす。
⑤水、コンソメを入れて丁寧にアクを取る。
弱火で2時間煮込む。
⑥デミグラスソース、ケチャップ、塩コショウを入れて味を整えて、更に1時間煮込む。
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