第18話 茶碗蒸し

夕方になり辺りは暗くなってきた。


会場はライトアップされていた。


ゆりことアイヤとアルファが急いで帰って来た。


司会者ではなくレックス王が直々に来た。


レックス王「皆さんこんばんは。予選3回戦は私、レックスが務めます。尚、審査員も私が務めます。」


王が直々に来てみんなは更に盛り上がった。


キッチンの前に、サラと女の子が立った。


レックス王「出場者を紹介します。左の方は、レックス街の和の達人サラさん!」


サラは深々とお辞儀をした。


観客は拍手喝采。


レックス王「右の方は、レイヴ街からやって来た、サユさん!」


サユは観客を睨んでいた。


サユ「庶民に料理を振る舞うのは初めてですわ。お口に合うかしらね?」


観客はブーイングの嵐。


レックス王「まあまあ落ち着いて下さい。それほど自信があるのでしょう!」


サラ「時間が勿体ないです。始めましょう。」


レックス王「分かりました。料理のテーマは卵を使った料理です。制限時間は、1時間。それでは予選開始!」


鐘が鳴った。


2人はそれぞれ料理を始めた。


サユはプリンを作る準備をした。

材料は全部、市場には出回らない高価な物ばかりで、感覚は唾を飲み込んで見ていた。


一方、サラは和食の茶碗蒸しを作る準備をしていた。

卵を丁寧に混ぜて、色とりどりの具材を入れて鼻歌を歌っていた。

シンプルだけど、味が一番強く伝わるからこの料理を選んだ。


観客は甘い匂いが強くするサユのプリンに注目していた。


レックス王はサユの料理には見向きもせず、サラの料理をずっと見ていた。


鐘が鳴り響いて料理は終わった。


レックス王「ここまで。審査に移る。」


レックス王は椅子に座った。


サラとサユは料理を出した。


まずはサラの茶碗蒸しをスプーンですくい一口食べた。


レックス王「うん。腕を上げたなサラ。私の知らない料理を作るなんて…。この料理はうまい!それに出汁も効いている!お見事!」


水を一口飲んで次に、サユのプリンをスプーンですくい一口食べた。


レックス王「ん?甘過ぎる!それになんだこの味…。苦いぞ!」


サユ「そんなはずじゃ…。私は完璧に作りました!誰かが私を罠にはめたのでは…。対戦者のあなたがしたんでしょ!」


サラ「えっ!」


レックス王「そうなのか?」


サラ「私はしていませんし、そもそもプリンの作り方間違ってましたよ?それにその高度な作り方、何故あなたが知っているのですか?」


サユ「私は天才なのよ! それに美食家からの太鼓判を押されてるの!そんな私が妬ましいから、罠をはめたんでしょ?」


サラ「はぁ?いい気にならないでよね!」


レックス王「待ちなさい!サラは罠をはめてないんだな?」


サラ「はめていません!」


レックス王「サユさんは罠をはめたと言うのか?」


サユ「はめたんでしょ!白状しなさい!」


レックス王「分かった。ならば、お互い同じ材料で、プリンをもう一度作って貰う!2人には監視役を付けさせて貰う!これなら不正は出来ない!これでいいな?10分後にまた開始する!」


レックス王は自分で材料を取りに行った。


観客はザワザワしていた。


その間、休憩になりサラはゆりこの所に来た。


サラ「ゆりっぺ…。私は正々堂々と戦った。不正なんかしてない!」


ゆりこ「信じてるわよ。サラがそんな事するはずないじゃない。私にはいつも全力で挑んできたんだから!頑張りなさいよ!」


サラ「ありがとう…。信じてくれて…。」


アイヤ「頑張って勝って下さい!」


アルファ「サラさんとゆりこさんの対決、楽しみにしています。だからここで負けないで下さい!」


サラ「分かってる!時間になったから、もう一度行ってくる!」


サラはもう一度会場へ行った。



~茶碗蒸し~

材料

⚪卵 1個

⚪水 150ml

⚪白だし 大1

⚪むきエビ 適量

⚪えだまめ 適量

⚪しいたけ 適量


~作り方~

①むきエビ、えだまめ、しいたけを湯がく。


②耐熱容器に卵、水、白だしを入れてよく混ぜる。


③その中に、むきエビ、えだまめ、しいたけを入れる。


④フライパンに水を3cmくらい入れ、最初強火~沸騰したら弱火で10分。

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