第17話 熱々マカロニグラタン

第2回の予選大会がまもなく開幕しようとしていた。


会場はザワザワしていた。


ゆりこ「何かしら…。」


アイヤ「そういえばこの街には、もう1人転生者がいたそうですが、噂では洋食の達人と呼ばれているそうですよ?」


ゆりこ「えっ!そうなの?」


アイヤ「噂ですけどね?あっ!予選が始まるみたいです!」


会場を見ると黒髪、黒いタキシードに黒いエプロン、黒いマスクを着けた男の子と、ピンク一式の服を着た女の子が立っていた。


司会者「皆さんこんにちは。予選2回戦を開始します!今回の料理のテーマは、熱々料理です。種類はなんでも構いません。それでは出場者を紹介します!」


2人はキッチンの前に立った。


司会者「左の方はこの街の洋食の達人が来ました!センさんです!」


みんなは盛大に拍手をした。


司会者「右の方は、花の国フラワータウンから来ました。ミロさんです!」


ミロにも盛大に拍手がきた。


センは司会者のマイクを奪った。


セン「俺様はこの料理大会で優勝する男だ!ちゃんと顔を覚えておけ!」


司会者にマイクを返した。


司会者「余裕発言が出ました!いい勝負になりそうな予感ですね!それでは料理開始です!制限時間は1時間です!」


鐘が鳴った。


センは手際よく野菜を切っていった。


ミロは硬いカボチャを凄い腕力で砕いていって、会場を騒然とさせていた。


センはこの世界にはない食材や調味料を出して調理に入っていた、会場のみんなは見た事ない物に興味を示していた。


アルファ「センとゆう男は何を作るんでしょうか?」


ゆりこ「マカロニグラタンよ。」


アイヤ「マカロニグラタン?」


ゆりこ「熱々料理にはぴったりの料理よ。今度、喫茶店のメニューに出してあげるから、アイヤとアルファ試食してみる?」


アイヤ「はい!是非!」


アルファ「まだまだ知らない料理ばかりですね。私も食べたいです。」


ゆりこ「分かったわ。じゃセンさんの料理を集中して見なさいね?」


2人は頷いた。


隣のミロはカボチャを湯がいて柔らかくして様々な調味料を足していた。


ゆりこ「隣のミロさんは、カボチャコロッケかしら。洋食対決って訳か。」


あっという間に時間になり鐘が鳴った。


2人は手を止めた。


そして審査員の前に2人の料理が出された。


まずはセンのマカロニグラタンをスプーンですくい一口食べた。


ハイヌ「これは…。食べた事ない味。このモチモチとした食材がチーズに合っている。」


ライト「クリーミーなソースですね。バターは効いていてそれに、くどくなく濃いくない。」


アイ「一度どこかで似た料理を食べた事がありますが、その料理とは段違い。チーズがこんがり焼けていて、全部の食材と絡み合い喧嘩をしていない。美味です。」


続いてミロのカボチャコロッケをナイフとフォークで一口食べた。


ハイヌ「カボチャ本来の甘さが出ている。うまい!」


ライト「揚げ過ぎずにこんなに綺麗なきつねいろにするなんて凄い。それにこんな料理は初めてだ。カボチャの甘さが充分出ている。」


アイ「庶民的な味ですね。でもどこか懐かしい…。」


アイは眉間にシワを寄せた。


アイ「硬い。これが人の前に出す料理ですか!恥を知りなさい!」


司会者「アイさん、落ち着いて下さい。」


アイ「取り乱してすみません。」


司会者「それではセンさんの料理の点数は…。」


ハイヌ 10点

ライト 9点

アイ 9点


合計は… 28点。


司会者「続いてミロさんの料理の点数は…。」


ハイヌ 7点

ライト 7点

アイ 3点


合計は… 17点。


司会者「優勝はセンさん!おめでとうございます!」


司会者は銀のバッチを渡した。


セン「当然だ!予選に負ける俺ではない!俺は料理の天才なんだ!」


会場からは拍手喝采。


ミロは泣いて帰っていった。


司会者「予選3回戦は夕方の6時からになります。それではまた。」


街の女性達は一斉にセンの所へ行った。

この街では人気者イケメンだからだ。


準備が終わったサラがやって来た。


ゆりこ「お疲れ様、予選突破しなさいよ?」


サラ「もちろん!」


ゆりこ「ねぇサラ、センってゆう男性ってどんな人か分かる?」


サラ「センさんね。同じ転生者で私が来る前からこの街に居たそうよ?洋食がめちゃめちゃ上手いって話を聞いた。それくらいかな?何で?」


ゆりこ「予選2回戦で、センさんが勝ったからさ?」


サラ「そうなの?強い人が相手だと私は燃えるな!ゆりっぺ、弱音吐いてない?センさんに負けるとか…。」


ゆりこ「まさか…。だけど…。」


サラ「私はゆりっぺと決勝戦で戦いたいの!その為にはセンさんを倒さないといけない。私は負けないよ?」


ゆりこ「私も決勝戦でサラと戦いたい!誰が相手でも負けない!」


サラ「うん!いつものゆりっぺに戻ったね?」


アイヤ「傾向と対策もしないといけませんね?」


アルファ「どんな料理がきても対応出来るようにですね?」


ゆりこ「分かってる。私なりに頑張るよ。」


アイヤ「応援します。」


アルファ「私も全力で応援します。」


ゆりこ「ありがとう2人とも。」


センがゆっくりこっちに歩いてきた。


センはサラの前で止まった。


セン「この料理大会で勝つのは俺だ!負けたらお前はこの街から出ていってもらう。和食なんか流行る訳もない!」


サラ「いいわよ?でも私よりも強い料理人が隣にいるわよ?」


センはゆりこをチラッと見た。


胸がズキューンとなった。


ゆりこ「こんにちは。ユアリア街から来ました、ゆりこです。よろしくお願いします。」


セン「私は…センです。よ…よ…よろしくお願いし…します。」


ゆりこ「センさんが相手になったとしても全力で叩きのめします!」


セン「こっちこそ。それではまた。」


センは帰っていった。


アイヤはセンもゆりこに一目惚れした事に気が付いた。


ゆりことアイヤとアルファは街の市場へ出掛ける事にした。


サラは次の自分の番の最終準備にとりかかった。




~マカロニグラタン~

材料

⚪マカロニ 100g

⚪玉ねぎ 適量

⚪ベーコン 3枚

⚪バター 適量

⚪とろけるチーズ 適量


〈ホワイトソース〉

材料

★有塩バター 50g

★薄力粉 50g

★牛乳 400ml


~作り方~


①鍋に水を入れてその中にマカロニを入れ中火で柔らかくなるまで煮る。


②柔らかくなったら、ざるにいれる。


③フライパンにバターを入れてスライスした玉ねぎを入れてしんなりするまで炒める。


④耐熱容器にバター、薄力粉を入れて電子レンジで1分加熱する。


⑤牛乳を加えて電子レンジで1分また加熱する。


⑥混ぜて電子レンジで1分加熱して、とろみがついたら塩コショウをする。


⑦別の、耐熱容器に炒めた玉ねぎ&ベーコンを入れて、その上にマカロニを入れてホワイトソースをかけてたっぷりチーズをかけて、オーブンで7分加熱する。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る