第14話 ユアリア街の花見と突然の訪問者?

次の日、相変わらずゆりこは暗い表情。


仕事をするのにもやる気がなく、喫茶店の中が、どんよりしてお客さんも次第に帰っていってしまった。


みかねたアルファはお店を閉店して、ゆりこの手を引っ張り広場へ連れて来た。


アルファ「ゆりこさん。街を見てください!」


ゆりこは街を見渡した。


すると、街の人達がゆりこが大好きな白い薔薇で様々な装飾をしている様子が見えた。


ゆりこ「これは…?」


アルファ「俺や街の人達が、元気がないゆりこさんにむけて造った物です。」


ゆりこ「えっ!私…元気なかった?」


アルファ「はい。ご両親の話を聞いてからですよね?アイヤさんに聞きました。」


ゆりこ「それは…。」


アルファ「ご両親の優しい気持ち、ゆりこさんを守りたい気持ち、様々な気持ちが伝わってきました。ご両親のおかげで今ゆりこさんはこうして生きているんです。ゆりこさんはこんな素敵な街を造りました。天国にいるご両親はきっと、ゆりこさんを褒めてくれるはずです。」


ゆりこ「アルファ…。ありがとうね。」


ゆりこはアルファを抱き締めた。


アルファはどうしたらいいのか分からず手を腰に回さなかった。


そして、ゆりこはアルファの手を握り喫茶店へと戻った。


元気になったゆりこはまた喫茶店を開店した。


たくさんお客さんが来てテキパキ動いた。


お昼を食べるのも忘れて夕方まで働いた。


そして閉店の時間になった。


さすがにお腹が減ってきてみんな椅子に座った。


アイヤ「さすがにお腹空きましたね。」


ゆりこ「食べとけば良かった。」


アルファ「でも大繁盛でしたね。」


アルカ「あんなにお客さんがくるなんて…。」


広場が騒がしくなってきた。


アルファ「もう始まりそうですね。みんな広場へ行きましょう!」


ゆりこ「えっ!」


アイヤ「そうね、行きましょう!」


アルカ「楽しみです。」


4人は外に出た。


そこには巨大な桜と白い薔薇が交互に並んでいて、ライトアップされていた。


広場には街の人達がブルーシートに座り宴会を始めようとしていた。


リディックが来た。


リディック「ゆりこさん、アイヤさんから聞きました。今宵は花見とゆう季節だと。みんなで花見とゆうイベントをしようかと思い用意しました。」


ゆりこ「ありがとうございます。」


4人はブルーシートに座り桜と白い薔薇を眺めた。


ゆりこ「綺麗ね。夜桜見るのは何年ぶりかな。それに白い薔薇…。お母さんが好きだった。」


ゆりこは何かを思い出し涙を流した。


アイヤはハンカチを差し出した。


ゆりこは涙を拭いた。


アルファ「ゆりこさんが居てからこそ街は成り立つんです!だから元気を出して、いつものゆりこさんに戻って下さい!」


ゆりこ「アルファ、ありがとう。そうね!ごめんね心配かけて…。」


アルカ「良かったです。」


アイヤ「花見を楽しみましょう!」


お酒を飲める人は花見酒を飲めない人はジュースを持って乾杯した。


花見は盛大に盛り上がった。


数時間経った時、門の所で誰かが入って来たのが見えた。


ゆりことアルファは門へ向かった。


するとそこにはルルアがいた。


ルルア「アルファ様。城へお戻り下さい。」


アルファ「アルカから話しは聞いてるぞ!お前が城を奪ったと。」


ルルア「誤解ですわ。私はただ、お父様の命令で動いたまでです。私は悪者なんかじゃございません。本来ならば、アルファ様が私の婚約者なのです。お父様は急に反対をされて幼なじみが私の婚約者に…。」


アルファ「俺が戻ってどうなる?」


ルルア「私は好きな人と結婚がしたいのです。アルファ様と幸せになりたいのです。」


アルファ「俺はこの街で生きていくと決めたから、城には戻る事はない!」


ルルア「ここまで言ってもダメなんですね…。分かりました。もう手段を選びません。」


ルルアが木の杖を出して何かを唱えてアルファに向けた。


ゆりこ「何をするの!」


ルルア「黙りなさい、庶民が!」


ゆりこは阻止しようとしたが杖で阻止されて倒れ込んだ。


リディック、アイヤ、アルカも後から来た。


ルルア「アルファ様。もう一度聞きますよ?城に戻って来てくれますか?私と結婚してくれますか?」


アルファ「今すぐ戻る。ルルアと結婚する。」


ルルア「ありがとうございます!その言葉を待っていました。皆さん聞きましたか?アルファ様は今日限りで私の物になりますので、手出し無用でお願いしますね?さぁ行きましょう?アルファ様。」


アルファ「はい。」


アルファはルルアに操られていた。


ゆりこ「待って!アルファ!」


アルファ「すみません。私はもうルルアの物になったので。」


リディック「お前しっかりしろ!」


アルカ「兄様!」


アイヤ「あなたの居場所はユアリアだけよ!」


アルファ「私の居場所はルルアがいる場所のみです。皆さんさようなら。」


ルルア「ですって。それではまた。」


アルファはルルアが用意した馬車に乗り城へ帰ってしまった。


ゆりこ「あの杖…。」


アイヤ「操り杖ですね。盗まれた物ですね。」


アルカ「そんな…。俺のせいなのか…。」


リディック「アルカのせいではない!ルルアって女のせいだ!自分を強く持て!」


ゆりこ「これからどうする?」


アイヤ「アルファ様を助けたいのでしたら、城へ潜入しなければなりません。大人数で行けば見つかりますので、2人で行かなければ…。」


アルカ「私が行きます。城は私が詳しいので。」


ゆりこ「私も行きます!」


アイヤ「分かりました。ユアリア街は私とリディック様が守ります。」


アイヤは2人に変装グッズを渡した。


そして2人は歩いて城へと向かった。

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