第13話 出汁醤油&焼きおにぎり アイヤが人間に?
早朝から喫茶店の厨房には、ゆりことアイヤがいた。
ゆりこ「アイヤ…。私自分だけの調味料を一から作りたいと思ってるの。」
アイヤ「いい事ですね。」
ゆりこ「今回は手始めに出汁醤油を作ろうかと思ってね?」
アイヤ「お手伝いしますね!」
ゆりこ「嬉しいけど…。」
アイヤ「ん?あっ、そうですよね。妖精のままじゃ出来ませんよね?今から人間に変身しますね?」
アイヤは宙をくるくる回った。
すると銀髪の美形男子になった。
ゆりこ「誰?」
アイヤ「アイヤですよ?」
ゆりこ「えっ!でもアイヤは女の子でしょ?」
アイヤ「私男ですよ?本来は。だけど、女性口調の方が、ゆりこさんが喋りやすいと思って…。それに妖精のままだと魔力を大量に使ってしまい疲れやすいのです。ゆりこさんさえ良ければ、人間のままでいたいですが…。」
ゆりこ「そうゆう事だったのね、びっくりしたわ。アイヤがそうしたいなら構わないわよ?」
アイヤ「ありがとうございます!」
ゆりこ「よし!じゃお手伝いお願いね?」
アイヤ「はい!任せて下さい!」
2人は厨房で準備をした。
冷蔵庫から、醤油、みりん、鰹節、昆布を出した。
~出汁醤油~
材料
⚪醤油 400cc
⚪昆布10g
⚪みりん50g
⚪鰹節30g
~作り方~
①醤油、昆布、みりんを鍋に入れて煮る。
そこに、鰹節を入れて一晩寝かせておく。
②次の日に、擦し器又はザルで擦して瓶など入れて、冷蔵庫に入れて冷やしたら完成。
今回は、にんにく醤油も作ったのでやり方を教えますね?
醤油の作り方と同じで瓶に皮を剥いたにんにくをお好みの量を入れて、その中に醤油を入れて冷蔵庫で冷やすだけです。
出汁醤油作りはお店開店1時間前に終わった。
アイヤが付けていたエプロンはなぜか醤油まみれに。
ゆりこ「エプロン醤油まみれになったわね?」
ゆりこがクスクス笑った。
アイヤ「ゆりこさんも醤油まみれですよ?」
アイヤもクスクス笑った。
ゆりこ「エプロン新しいのを持ってくるから待ってて?」
アイヤ「はい!」
ゆりこは2階へ上がりエプロン2着持ってきて渡した。
2人はエプロンを付けた。
アルファがやって来た。
アルファ「おはようございます。ゆりこさん、アイヤさん。」
ゆりこ「おはよう、アルファ。」
アイヤ「おはようございます、アルファさん。」
アルファ「どちら様ですか?」
ゆりこ「人間になったアイヤよ?」
アルファ「でもアイヤさんは女性じゃ…。」
アイヤ「本来は男ですよ?」
アルファ「なるほど。まぁ改めて人間のアイヤさん、よろしくお願いします。」
アイヤ「こちらこそよろしくお願いします。」
ゆりこ「掃除を始めましょう!」
3人は掃除を始めた。
数分後に終わりお店を開店した。
開店と共に街の人々や他国からの人々がやって来た。
店内はバタバタしていた。
途中からアルカがお手伝いに来てくれてお店の回転率が良くなった。
そしてお昼になり早めにお店を閉めた。
理由があった。
この前、お店に来てくれたお嬢様と執事さんが喫茶店に来るからだ。
大切な話があるそうで、お昼から喫茶店を貸し切りにして欲しいと電話があったからだ。
午前中は売上が予想以上に上がり、ある建物を建てる費用として金庫にしまった。
喫茶店の扉が開いた。
お嬢様と執事さん、そして王冠を付けた人。
お嬢様「こんにちは。」
執事「この前は、ありがとうございます。」
ゆりこ「いえいえ。」
王冠を付けた人は深々と頭を下げた。
?「この度は、娘と執事をお守りいただき、誠にありがとうございました。私は娘の父イルラと申します。」
ゆりこ「頭をお上げ下さい。私は何もしていません。」
イルラ王は頭を上げた。
イルラ王「娘と執事から聞きました。あなたから貰ったネックレスのおかげで無事に城までたどり着いたと。」
ゆりこ「あれはただの暗示です。」
イルラ王「私は魔石を取り扱う仕事をしています。悪い魔石を市場に出回らないように。良い魔石が出たら高値で売ったりも他にも色々…。あなたのネックレスには魔石がありました。あれは強力な力の魔石です。あなたは何者ですか?」
ゆりこ「お話しますが、その前にお昼食べていきませんか?私達もまだ食べていないので。」
お嬢様「そうする!いいでしょパパ?」
イルラ王「いやしかしな…。」
執事「旦那様どうなさいますか?」
イルラ王「分かった!ご飯を食べよう、話はその後。」
ゆりこ「ありがとうございます。座って待ってて下さい。」
3人はカウンターに座った。
アルファは氷水をコップに入れて出した。
ゆりこは厨房で焼きおにぎりを作っていた。
~焼きおにぎり~
材料
⚪ご飯 適量
⚪塩 ひとつまみ
⚪出汁醤油 適量
~作り方~
①塩おにぎりを作る。
②網におにぎりを乗せて、弱火で焼く。
③ハケで出汁醤油をまんべんなく塗る。
(反対側も)
④お皿に乗せたら完成。
7人分の焼きおにぎりを出した。
みんな椅子に座って一口食べた。
お嬢様「わぁ~!美味しい!」
執事「うん、香ばしくて美味しいです。」
イルラ王「なんだこの味は!食べた事がない味だ!」
アルファ「さすが、ゆりこさん。今日も美味しいです。」
アルカ「初めての味です。でも懐かしい。」
アイヤ「美味です。完璧です。」
ゆりこ「ありがとうございます。」
みんなペロッと食べてしまった。
イルラ王「うまかった。」
ゆりこ「ありがとうございます。アルファ、アルカ、お嬢様、執事さん席を外してくれますか?アイヤは説明の為にいて?」
アイヤ「分かりました。」
みんな言われるように外に出て席を外した。
イルラ王「話してくれるのか?」
アイヤ「この件に関しては私がお話します。私は妖精の国リリラから来ました、名前はアイヤです。」
イルラ王「妖精の国リリラだと!伝説だと思っていた。」
アイヤ「私達の国が滅んだと言う噂を今の妖精の女王が仕向けたのです。」
イルラ王「そうだったのか。それでネックレスの件の話だが…。」
アイヤ「私には役目がありました。それは、ゆりこさんをお守りするという役目。次期女王は人間と共に行動をしながら、自分の魔力を上げる事が義務付けされています。私は、人間界でゆりこさんのご両親をパートナーとして動いていましたが、ご両親は亡くなってしまいました。亡くなる前にご両親が、ゆりこさんの事を頼んだと言って、自分達のほんの少しの生命力を指輪に吸い込み、次の日に亡くなりました。人間の生命力は魔力に換算しますとよほど強い魔力なのです。しかし、ゆりこさんはそれ以上でした。
魔法を自ら勉強したり、魔法を融合させたりして今の力があります。
お分かりいただけたでしょうか?」
イルラ王「疑ってしまいすまなかった。悪の魔法使いだと勘違いしていた。それに妖精が今でも生きてたなんて…。」
ゆりこは泣いて外に飛び出していった。
アイヤとイルラ王は追いかけた。
街の湖に座って泣いているゆりこを見つけた。
イルラ王は土下座した。
イルラ王「すまなかった。許してくれ。」
ゆりこ「大丈夫です。知らない話だっただけで。頭をお上げ下さい。」
イルラ王は頭を上げた。
アイヤ「ゆりこさん今まで全部話せなくてすみません。」
ゆりこ「いいの。話してくれてありがとう。」
アルファとアルカとお嬢様と執事も遅れて来た。
お嬢様「パパ!女の子泣かしたらダメでしょ!ごめんなさいは?」
イルラ王「あっ!ごめんなさい。」
お嬢様「よし!ゆりこさんパパを許して上げてくれる?」
ゆりこ「もちろん。」
執事「旦那様、時間です。」
イルラ王「あぁ。今度また改めて伺う。本当にすまなかった。」
頭を下げて黒いカードを100枚置いていき帰っていった。
ゆりこ「みんなごめんね。でももう大丈夫だから。戻ろう?」
ゆりこは黒いカードを拾い喫茶店へ戻ったが、元気のかけらもなくなったゆりこがいた。
3人は元気付けようと話し合いをした。
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