第6話 本当の狙いは? ゆりこ特性ナポリタン

リディックとアルファと建築チームは朝から晩まで城と門作りをしていた。


ゆりことアイヤはその間、料理を振る舞ったりしていた。


ある日の事。


いつものように城と門作りをしていたら、店に誰かが訪問して来た。


ゆりこが2階から降りてきた。


そこには男性が立っていた。


ゆりこ「どちら様ですか?」


?「兄様はいらっしゃいますか?」私は、弟のアルカです。」


ゆりこ「弟さんですか?アルファは城の建築のお手伝いをしています。もう少しで休憩なので来ますよ?こちらで待ちますか?」


アルカ「あっ、はい。」


アルカは近くの椅子に座った。


ゆりこは厨房から冷たい氷水をコップに注いで出した。


ゆりこ「外は暑かったでしょ?良かったら飲んで下さい。」


アルカ「ありがとうございます。」


アルカは一気に氷水を飲んだ。


アルカ「冷たくて美味しい!ここは何の店なんですか?」


ゆりこ「喫茶店です。まだ開店はしていませんがね?」


アルカ「そうでした。兄様はこちらで何をなさってるのですか?」


ゆりこ「新しい人生の一歩を踏み出してる所かしら?」


アルカ「新しい人生の一歩?」


ゆりこ「アルファは少し暗かった。色々なしがらみに縛られて落ち着ける場所なんてなかった。でも今は自由を手に入れた。それからだんだん明るくなって積極的に行動するようになった。」


アルカ「そうでしたか。」


ゆりこ「アルカさんも変わる時なのでは?私はそう思います。」


アルカ「あなたに私の何が分かるんですか!私は…私は…。」


アルカのお腹がグゥゥ~と鳴った。


ゆりこ「ご飯作りましょうか?」


アルカ「いやいらぬ。」


それでもお腹がグゥゥ~グゥゥ~鳴っていた。


ゆりこ「少しお待ち下さい。簡単な料理で良ければお作りします。」


ゆりこは厨房に入った。


冷蔵庫には、パスタ、玉ねぎ、ピーマン、ベーコン、ウインナー、ケチャップが入っていた。


ゆりこ「ナポリタンかしら。」


材料を取り出して作り始めた。


~ゆりこ特性ナポリタン~

材料

玉ねぎ 1個

ピーマン 2個

ベーコン 1枚

ウインナー 5本

パスタ 適量

ケチャップ 適量

塩コショウ 適量


作り方

①玉ねぎを食べやすいサイズに切る。

ピーマンはへたと後ろを切り、中の白いのを取り食べやすいサイズに切る。


②ベーコン、ウインナーも同じように食べやすいサイズに切る。


③鍋に水と塩を入れて火にかける。沸騰したらパスタを入れる。

だいたい5分くらい茹でる。


④フライパンに油をひいて、切った具材を入れて炒める。

その中にパスタを入れて塩コショウとケチャップを入れて炒める。


⑤玉ねぎに火が通れば完成。


完成したナポリタンをお皿に移して、フォークとナプキンをおぼんに乗せた。


そしてアルカの前に出した。


ゆりこ「お待たせ致しました。ゆりこ特性のナポリタンです。」


アルカは匂いにつられてフォークを持って一口食べた。


ズルル~。ズルル~。


アルカ「これ美味しい!辛い食べ物かと思ったらトマトのソースだったんだな。野菜の甘みも出てるしこのお肉みたいなのが、ジューシーで更に美味しい!」


ゆりこ「ありがとうございます。」


アルカ「ゆりこさん、さっきは怒鳴ったりしてすみません。どうしたらいいのか分からなくて…。」


ゆりこ「まずはゆっくり食べて下さい。それから話しましょう?」


アルカ「はい!」


アルカは口の汚れを気にせず、ズルズル食べた。

そして完食した。


ナプキンで口を拭いて氷水を飲んだ。


食べたと同時にアルファが戻って来た。


アルファ「ゆりこさん休憩になりました!皆さんは城付近で休憩するそうなので私だけ帰ってきました。ってあれ?アルカ?何でお前が?」


アルカ「自らの意思で城を出ました。お父様は何を考えてるのか分かりません。それに後継ぎが欲しいから私を選びましたが私は継ぎませんと一言言ったら、後継ぎだけ残せと言われて、兄様の婚約者のルルアさんが来まして…。」


アルカはその場で泣いてしまった。


アルファ「すまなかったな。お前に嫌な思いをさせてしまって。でも何でルルアが?」


ゆりこ「話に入ってきてすみません。その事なんですがアイヤが偵察をしてきて私もリディック様も知りました。隠していてもいずれバレるので。」


アルファ「そうでしたか。でもありがとうございます。」


アルカ「私もこの街に住んではダメですか?」


アルファ「ここは、ゆりこさんが造られた街だ!それにこの街の王様はリディック様だ!2人の許可が限りは返事は出来ない。」


アルカはゆりこに土下座した。


アルカ「お願いします。私を街の1人として置いてくれませんか?」


ゆりこ「いいわよ?だけど条件がある。」


アルカ「条件?」


ゆりこ「アルカさん、夢を見つけて欲しい。自分がやりたい事でもいい。」


アルカ「分かりました。」


ゆりこ「頭を上げて?」


アルカは頭を上げた。


ゆりこはハンカチで涙を拭いてあげた。


アルファ「良かったな。後はリディック様だけだ。」


すると、扉が開いてリディックが来た。


リディック「話は外から聞いた!私も許可する!いやぁ~美味しい匂いに誘われてついつい来てしまって!」


ゆりこ「食いしん坊ですね?」


ゆりこはクスクス笑った。


リディック「ライザ王国の事は私とゆりこさんに任せてくれ!何とかする!」


アルカ「ありがとうございます。リディック様、ゆりこさん。」


こうして新しくアルカが街の一員になった。


ライザ王国では不審な動きをルルアが見せていた。

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