第3話 アルファの婚約者

女性は立ち上がりゆりこの前に来た。


?「私の婚約者を返して下さい!」

ゆりこ「婚約者?」

?「アルファ様です。私の婚約者なのです!」

ゆりこ「でもアルファからはそんな話聞いてないですよ?」

?「呼び捨て?そこまで仲がよろしいんですね。」

ゆりこ「本人を呼ぶので待ってて下さい。」


ゆりこは2階に上がりアルファを連れてきた。


アルファは女性を見て驚いた顔をした。


アルファ「ゆりこ様二人きりにしてもらえますか?」


ゆりこは頷いて2階へ上がった。


アルファ「何しに来た?ルルア。」

ルルア「追放されたって話を聞いて探しました。」

アルファ「それで?戻ってこいと?」

ルルア「そうです!私が説得しますから戻って来て下さい。アルファ様を必要としている方々はまだいます!」


アルファは悩んだ。

だけどルルアにはっきり言った。


アルファ「戻る気はない!」

ルルア「どうしてですか?」

アルファ「同じ事の繰り返しの毎日を送っても楽しくはないし、自由に生きたい。」

ルルア「さっきの女にそそのかされたのですか?それなら私が話してきます!」


2階に行こうとした時。


アルファがルルアの腕を掴んだ。


アルファ「止めてくれ。俺の恩人に失礼な事をしたらルルアでも許さないから!」

ルルア「アルファ様…。」

アルファ「すまない。」

ルルア「私との結婚はどうするのですか?」

アルファ「そもそも約束をしていないだろ!ルルアが勝手に思い込んでるだけだろ!」

ルルア「それは…。」


2階からゆりこが降りてきた。


ゆりこ「話はまとまったかな?」


アルファ「すみません大声出して…。」


ゆりこ「気にしないで?」


ルルア「私は絶対にアルファ様と結婚します!その為には手段を選びません。」


ゆりこ「自分勝手なお嬢様なんですね。さぞ甘やかされて育てられたのですね。私の友人に危害を加えようとした時は、私も手段を選びませんよ?お嬢様。」


ゆりこはニコッと微笑んだ。


ルルア「言ってくれるじゃない!どうなっても知らないわよ!」


そう言って出ていった。


アルファ「巻き込んでしまい申し訳ない。」


アイヤが来た。


アイヤ「想定内の事ね。ゆりこ様と手はうってるわよ。心配ないわ。」


アルファ「とゆうと?」


ゆりこ「あのお嬢様は恐らくこの店を潰そうとするわ。けどね、ある人の証明書が店の外に貼り出されていたら誰も手出し出来ないの。手出しをしたら死刑になるくらいだからね?」


アルファ「ある人とは?」


アイヤ「リディック様ですよ?」


アルファ「えっ!リ…リディック様?」


ゆりこ「知ってるようね?様々な権利を持つ王様でこの街ごと買い取れる力もある。だけど、お気に入りの店があると意地でも守り抜く方よ?今日の夜にこのお店に来る予定だから会ってみる?」


アルファ「是非とも。でも何でそんな方とお知り合いなのですか?」


アイヤ「秘密よ。」


ゆりこ「いつか話してあげる。」


ルルアがアルファの話をしていた時に。


2階ではアイヤとゆりこが、話を聞いて対策を考えていた。


アイヤ「このままではお店も危なくなります。先に手をうちましょう!」


ゆりこ「どうやって?」


アイヤ「簡単です。権利を持つ方に助けを求めるだけです。」


ゆりこ「そんな人いる?」


アイヤ「私の知り合いにいますので、そこにワープしましょう。ゆりこ様、私の羽に捕まって下さい!」


ゆりこはアイヤの羽に捕まった。


一瞬の内にワープした。


そこは部屋の中だった。


ガチャ。


誰かが入って来た。


?「誰だ!」


アイヤ「お久しぶりです。アイヤです。」


?「アイヤかぁ!久しいの。どうした?」


カーテンから、ゆりこが出てきた。


ゆりこを見た瞬間、一目惚れをしてしまった。


?「こ…このお美しい方は?」


アイヤ「私の主です。」


ゆりこ「ゆりこと申します。」


リディック「私はリディックと申します。」


アイヤ「ゆりこ様のお店が友人が危ういのです。助けてくれますか?」


ゆりこ「お願い致します。」


二人は頭を下げた。


リディック「話を聞かせてもらおう。」


アイヤはさっきの事を話した。


リディック「なるほど。良かろう!ただし条件がある。私にも何か食べさせてもらいたい。」


ゆりこ「いいですよ。いつでもいらして下さい!」


ゆりこはリディックの手をギュと握った。


リディックの顔は真っ赤になっていた。


リディック「ゆ…ゆりこ様。」


ゆりこ「どうかしましたか?」


アイヤは気付いていた。


アイヤ「それでは証明書にサインを。」


リディックはペンですらすらサインと印を押した。


アイヤ「ありがとうございます。ゆりこ様戻りましょう!」


ゆりこ「はい。ありがとうございました。」


ゆりこはアイヤとお店に戻った。


リディックは完全にゆりこにぞっこんになった。

妻をなくしてからこの気持ちは初めてだったリディックは、もっと力になりたいと思い行動をしていた。


ゆりこは証明書をお店の外に剥がれない魔法で貼り付けた。


ゆりこ「これでよし!そうだ!アルファに家を見せないと!」


ゆりこはアルファを外に呼び出した。


アルファ「どうしました?」


ゆりこはアルファの手を引っ張りお店の後ろへと連れてきた。


そこには少し大きめの家が建っていた。


アルファ「これは?」


ゆりこ「アルファの家を造ったんだ。」


アルファ「えー!俺の家を?ありがとうございます。」


ゆりこ「まあ中に入って入って。」


アルファは中に入った。


知らない家具は説明しながら教えた。


アルファ「こんな立派な家を本当にありがとうございます。」


ゆりこ「お店のお手伝いよろしくね?」


アルファ「はい!」


アルファはゆりこに感謝しつつ、これからも頑張る意志を改めて心に誓った。


2人は店に戻り、リディックを待つ事にした。

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