第2話 ゆりこの特性卵サンドイッチ
昨日はお店の2階でぐっすり眠っていた。
朝起きて1階に降りるとお店が綺麗になっていた。
ゆりこ「アイヤ?」
アイヤ「はい。おはようございます!」
ゆりこ「掃除してくれたの?」
アイヤ「はい!」
ゆりこ「ありがとう!お礼に朝食作ってあげるね?」
アイヤは大喜びしながら飛び回った。
ゆりこは黒くなった板に材料を書いた。
食パン、バター、卵、塩コショウ、砂糖。
そして黒いカードをかざした。
すると板の中から材料が出てきた。
ゆりこ「よし!作ろう!」
ゆりこは卵サンドイッチを作る事にした。
~卵サンドイッチの作り方~
材料
○卵3つ
○食パン2
枚
○バター 少々
○塩コショウ 少々
○砂糖 少々
① 食パンにバターを塗ります。
②半分に切ります。
③お椀に卵を3つ割り、塩コショウ、砂糖を入れてよく混ぜる。
④フライパンに少量の油をひいて卵を流し込む。
⑤卵焼きのように巻いたら完成。
⑥食パンをレンジで2~3分焼いて取り出す。
⑦取り出して卵を乗せてサンドする。
※お好みでケチャップやマヨネーズ入れてもok。
ゆりこは調理を終えてお皿に乗せてアイヤの前に出した。
アイヤ「いい匂い!いただきます!」
パクっと一口食べた。
アイヤは満面の笑みを浮かべた。
アイヤ「美味しいです!卵ふわふわで甘い!バターもほんわか香ってる。この街にはない味ですね!」
ゆりこ「そうなの?うーん。でもこれはお店に出せるような味ではないから改良しなきゃだね。」
アイヤ「どうしてですか?」
ゆりこ「昨日考えたの。窓から見た街は栄えてるし貴族が多そうって、もし貴族の方々がお店に来たらこの味はシンプル過ぎて口に合わない可能性が出てくるって、考えすぎかな?」
アイヤ「いえそんな事ありませんよ!そうですね貴族の方々はチーズという高級な食べ物が好きと聞いた事があります!一工夫するのでしたら、現代のチーズを取り寄せてみてはいかがですか?」
ゆりこ「そうね!色々と考えてみる。ねぇ少しだけ街へ行ってもいい?」
アイヤ「はい。お店は私が守っておきます!でもその服装だと怪しまれますので、街の服にお着替え下さい!」
アイヤは奥から白いワンピースを出してきて、ゆりこに渡した。
ゆりこ「ありがとう。」
ゆりこはすぐに着替えて、自分のサンドイッチをアルミに包んで出掛けた。
街まではそう遠くなかった。
徒歩3分くらいで街の門へと着いた。
門番に通行手形を貰い中に入った。
街は賑やかで様々なお店が並んでいた。
ゆりこ「賑やかな街ね。」
噴水の近くのベンチに座った。
隣にマントを頭から被った人が座り話しかけてきた。
?「ちょっといいか?」
ゆりこ「なんでしょう?
?「この近くに食べ物屋はあるか?」
ゆりこ「えっ?街にたくさんありますよ?」
?「街の味は飽きたんだ。いつも同じメニューばかりでな。」
するとマントが風に飛ばされた。
その人は明らかに街の人ではない事に気付いた。
?「あっ!マントが…。頼む!どこかにかくまってくれ!」
ただ事ではないと思いフードを頭からかけた。
その人の手を引っ張り路地裏に来た。
ゆりこはアイヤとの約束を思い出して、その人を気絶させた。
赤い指輪に、自分の店へと移動と念じた。
一瞬のうちにお店に帰って来た。
アイヤがお店から出てきた。
アイヤ「早かったですね?ん?この方は?」
ゆりこ「とにかく中に入れるから手伝って!」
二人がかりでお店の中に入れて椅子に座らせた。
ゆりこはアイヤにさっきの事を話した。
アイヤ「この方は街の王子様です。逃亡癖がある噂は本当だったのですね。」
ゆりこ「えっ!ど…どうしたらいいの?」
アイヤ「事情を聞かないと動けませんね。」
王子様が目を覚ました。
王子様「ここは?」
ゆりこ「私の店です。」
王子様「先程はありがとうございました。」
頭を下げた。
ゆりこ「頭を上げて下さい王子様。」
王子様「バレていたのか。」
ゆりこ「なぜ逃亡するのですか?」
王子様「父の役に立ちたいから王子になった。だけど父は子孫を残せと言った。知らない女性に毎日合わされて憂鬱だった。だから逃げた。次逃げたら街から追放と言われた。」
ゆりこ「えっ!じゃもう追放されたって事?」
王子様「そうゆう事だな。だからもう王子ではない。」
ゆりこ「そっかぁ。大変だったんですね。」
王子様「責めないのか?」
ゆりこ「責める要素がどこに?これからは第2の人生を有意義に使って過ごしましょう!お名前教えて下さい。」
アルファ「アルファと申す。」
ゆりこ「私はゆりこ。よろしくね?」
アルファは解放されて力が抜けたのか涙を流した。
アイヤが出てきた。
アイヤ「男は泣くんじゃない!」
ハッと上を見ると羽を生やした女の子が飛んでいて、びっくりしていた。
アルファ「まれに見る妖精か?」
アイヤ「そうだけど?ゆりこ様の護衛をしてますわ!」
アルファ「なるほど。ゆりこさん、私をここで働かせてくれないか!頼む!」
また頭を下げた。
アイヤ「馬鹿じゃないの!お店を開く事は大変なのよ!料理、お皿洗い、オーダー、レジ、掃除、仕入れ、やる事はたくさんなの!王子様だったあなたが出来る事じゃないわ!」
ゆりこ「アイヤ…。その辺にして?」
アイヤ「分かりました。」
アルファ「その通りだ。私は何も出来ない。だが護衛なら…。」
ゆりこ「頭を上げて下さい?」
アルファは頭を上げた。
ゆりこ「少しずつ覚えていけばすぐに上達しますよ?人手足りなかったからいいよね?アイヤ?」
アイヤ「ゆりこ様がそうおっしゃるなら。」
アルファ「ありがとうございます!」
ゆりこは卵サンドイッチをアルファに渡した。
ゆりこ「冷えてしまったけど食べて?まずは味を覚えて?」
アルファはアルミを開いた。
アルファ「これは?」
アイヤ「ゆりこ様特性サンドイッチよ。」
一口食べた。
アルファ「これは!うまい!こんなにうまいサンドイッチを食べたのは初めてだ。昔を思い出すな。祖父が似たような物を作っていたな。でもこの味は街にはない味だ。卵に甘みが付いている。」
ゆりこ「昔を思い出す味か。」
アイヤ「ゆりこ様?」
ゆりこ「何でもないわ。そうだ!アルファの家がないから今から造りましょう!」
アイヤ「ゆりこ様ここでは…。」
アルファ「何か言ったか?」
ゆりこ「いえ。ゆっくり休んで下さいね?アイヤ2階に案内して?」
アイヤ「はい。」
アイヤはアルファを2階へ案内した。
黒い板を出して家の設計図を書いた。
黒いカードをかざした。
家はお店の後ろに出来た。
外に出て出来た家に入った。
ゆりこ「広く出来た。後は内装ね。」
ベッド、テーブル、椅子、暖炉、クローゼット、本棚、キッチン、トイレ、お風呂を付けた。
ゆりこ「電気は魔力で発動って言ってたから私の魔力を少しあげようかな。」
シャンデリアに魔力を少し渡した。
ゆりこ「出来た。明日のアルファの反応が楽しみ!」
ゆりこはお店に戻った。
すると知らない女性が椅子に座っていた。
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