第6話 許さない
次の日の朝、朝練が終わるとかえちゃんを除いた私たち5人はあゆみんとかえちゃんの件について話すために集まった。
「みゆ、かえちゃんほんとに謝ってきたの?」
せいらが聞いてきた。
「うん、なんか何に怒ってるのかわからなくなっちゃったからって」
「急に態度変えたね」
ももちゃんの言葉に私たちは頷いた。
「で、あゆみんのことどうする?」
私が聞くと、あゆみちゃんがその前にと言って、
「朝、あゆみんと一緒にきた?」
せいらと私に聞いてきた。
「いや、先に行っちゃってたみたい。私が歩いている途中でせいらには会ったけど」
「せいらが歩いている時はあゆみんに会わなかったよ」
私とせいらは言った。
「とりあえず、今日の部活で聞いてみるか」
「だね」
そう言って私たちはそれぞれの教室に戻った。
放課後————————
私がコートに行くと、いたのはあゆみんだけだった。
後ろから誰か来る気配はなく、その場には気まずい雰囲気が漂った。
私がなにか話そうと思っていると、あゆみんから話しかけてきた。
「ねえ、みゆはどう思ってるの?」
「え、喧嘩のこと?」
私が聞き返すと、あゆみんは頷いた。
「もう…何に怒ってるのかわかんないな…って思ってるんだよね…?」
私が答えると、あゆみんは何も言わずに歩いていってしまった。
部活はいつも通り進み、今は下校中。
かえちゃんやゆさ、あゆみちゃんたちと別れ、あゆみんが少し前を私とせいらがあとを歩いていた。
すると、あゆみんが止まって私たちの方を見た。
「ねえ、かえちゃんもう許してるでしょ」
突然そう言ってきた。
「え…あ、うん」
私は戸惑いながら言った。
「ふーん。でも許さないから」
あゆみんはそう言って足を早めた。
———————6月1まであと15日
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