第5話 態度の変化

次の日の金曜日。

私たちは夜練へ向かう途中にあゆみんとかえちゃんを呼び止めた。

「何?」

かえちゃんが嫌そうな返事をしてきた。

「もうやめようよ!何に怒ってるのかわからなくなってきて…」

私が言い終わる前にかえちゃんとあゆみんはスタスタと歩いていってしまった。

「また聞いてくれないじゃん!」

私たちは少しイラつき始めた。


夜練が始まると先週と変わらず、キレイに2つに別れて練習した。

練習が終わり、帰る準備をしていると、横のコートで練習していた私の弟が言ってきた。

「ケンカしてるの?」

「うん。話し合いすらできないけどね」

私が言うと他の3人も首を縦に振った。

「ふーん、とっとと仲直りすれば?」

「じゃないとディズニーつまんないよ〜」

弟と練習していたあゆみちゃんの弟とゆさの妹も挑発するように言ってきた。

「うるさいなー、しようと努力してるって!」

私とあゆみちゃん、ゆさは言った。

「小学生たちは呑気だな〜」

せいらが言った。

「だね〜。悩みなさそう」

私も言った。

私たちがそんな話をしている間に、かえちゃんとあゆみんは親がいるところに行ってしまった。

そしてこの日も、進展はゼロだった。


土日は雨。私たちの部活は雨になると大抵休みになる。


月曜日、かえちゃんが私のクラスに来た。

「どうしたの?」

私が聞くと、かえちゃんが言った。

「なんか昨日色々考えて分からなくなっちゃったんだよね。何に怒ってるか」

私はあまりにも態度が変わり、びっくりしてしまった。

「う、うん。そうだね」

「だからさ、もう私はいいよ。なんかごめんね、話全然聞かなくて」

「あ、うん。大丈夫だよ。あゆみんは?」

私が聞くと、かえちゃんは首を横に振った。

「まだ許してないと思うよ」

あゆみんは小学校のころから、こういうことには頑固だった。

「とりあえず、今日は学校全体で部活がないから、明日聞いてみるよ」

私はそう言うと、かえちゃんと分かれた。


                    ——————6月1まで残り16日

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る