第4話 先輩の言葉
次の日、私たち4人はゆさに頼んでかえちゃん達と話し合いができるように、説得してもらった。
「部活が終わった後に少しだけならいいって」
ゆさが言った。
そして、部活が終わった。
私たちは下校しながら、話し合うことにした。
「ねえ、なんでそんなに怒ってるの?」
私はあゆみんに聞いた。
「そっちが態度をコロコロと変えるからじゃん。それぐらいわかるでしょ」
あゆみんは怒ったように言った。
「でも、それだけでそんなに怒る必要ある?」
せいらが聞いた。
「……」
前では、あゆみちゃんとももちゃんがかえちゃんからいろいろ聞いている。
かえちゃんと分かれる場所まで来ると、かえちゃんは私たちに何も言わず、歩いて行ってしまった。あゆみんもこのタイミングを見計らったように走って行ってしまった。
「何か分かったことあった?」
私が聞くと、あゆみちゃんもももちゃんも首を横に振った。
「まったく。全然話し合いにならなかったね」
この日も、何も進歩はなかった。
次の日、部活に行くとあゆみちゃんたちが話し合っていた。
「どうしたの?」
私が聞くと、ももちゃんが言った。
「先輩にばれたみたい」
「誰?」
「あやの先輩」
あやの先輩はゆさが仲のいい先輩だ。
「それって、ゆさが言ったってこと?」
私が言うとみんなが頷いた。
「でも今までの私たちのぎくしゃくした感じからよくばれなかったもんじゃない?」
せいらが言った。
「確かに!よくばれなかったよね」
「で、先輩に言ってどうだったんだろう?」
2年の中でゆさだけが来ていなかった。
「ゆみちゃん、6組まだだった?」
「いや、もう終わってたと思うけど」
私たちがゆさを待っていると、先輩たちが体操を始めてしまった。
「とりあえず体操やろ」
私たちはそう言って体操をし、練習を始めた。
練習を始めて10分ぐらいしてゆさがやっとやってきた。
「ゆさ、遅かったじゃん。どうしたの」
私が聞くと、ゆさは言った。
「日直の仕事と先生の手伝いしてた」
私たちはとりあえず先輩に何て言われたか聞いた。
「あやの先輩からは、どちらかが謝らないと終わらないと思うよって言われたよ」
でもそれはたぶん、私たちにはできないことだと思った。
—————6月1日まで残り20日
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