第5話 理不尽な事

それから数週間、いいや数ヶ月は特に何もなく、過ぎて行った。


そしていつのまにかこの事件の事を私たちは忘れてしまった。

私たちがまたこの事件について思い出したのは、夏休みが終わり、11月になってからだった。


3年生が引退して初めての全国大会まで繋がる大きな大会が終わり、今は10月。

中間テストが終わって、また部活が再開されて1週間、私はゆさと交換日記をしていた。

私は最初、「中学生にもなってやる?」と言ったけれど、結局やる事にした。

ゆさはテストが終わると、自分の点数や順位を書いてくるようになった。

私も最初はゆさと変わらないぐらいの成績だった。(366人中120番ぐらい)

ところが、今回の中間テストで私は、異様なほどの順位を上げた。(50番ぐらい)

私は先にゆさの順位を知っていたし、ゆさが順位を書いている理由が自分と同じぐらいだからだということも知っていた。

だから、あまり書きたくなかった。

でも、私はゆさに言われるがままに自分の順位を書いた。


11月になり、期末テストが近づいてきた。

ゆさは前回、私の点数と順位を見て火がついたのか、私に対抗心を燃やしてきた。

私はそれに乗り、お遊びの勝負をすることにした。


そこまでは良かった。

とてもいい雰囲気で。


でも私は後々後悔した。


別にワザとやったわけではないのに……


そして期末テストが終わり、結果が返ってきた。

先に日記を持っていたのは、ゆさだった。

ゆさは自分の点数と順位を書いて私に渡してきた。

私も次のページに自分の点数と順位を書いてゆさに渡した。


勝負は私が勝っていた。

私はその事についてテニス部のみんなに話した。

でもそのあと、ゆさは交換日記を無くしたと言ってやめた。

でも私は交換日記がゆさのバックの中に入っている事を知っていた。


つまりゆさは交換日記を無くしてやめたわけではなく、自ら進んでやめた事になる。


交換日記をやめてから一週間後ゆさは私を無視する様になった。

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