『エピローグ』

『エピローグ』


 あら、ゆすっておこしてくれたのね。


 ありがとう、みんな。


 あんまりいいゆめじゃなかったから。


 こうかいしてる、むかしのゆめ。


 いえには、わたしと、ゆーじがいたの。


 わたしはそとで、ゆーじはなかだったけど。


 ずっとふたりになっちゃったの。


 でもそのころ、ゆーじはあれでね。


 だいじょうぶかしらってしんぱいしてたら、よるにへんなひとがきたの。


 わたし、たくさんほえて、かみつこうとしたらにげていったのよ。


 でも、おそかったみたい。


 いまなら、すぐころしたんだけど。


 わたし、むかしはよわかったのよ?


 ひが、ついたの。


 ゆーじがいる、いえに。


 あついけど、がまんして、がんばってけそうとしたの。


 わたし、むかしはまほうをつかえなかったのよ?


 そう、それで、ぼんやりしてきて。


 たくさんいのったの。


 かみさま、ゆーじをたすけてくださいって。


 ひから、こわいのから、ゆーじをたすけてくださいって。


 かみさまができないなら、わたしをかしこく、つよくしてくださいって。


 わたし、むかしはかしこくなかったのよ?


 だから、こんなにちゃんとかんがえてなかったけど、そんなふうにおもったの。


 そうしたら。


 つぎのひ、ちゃんとめがさめたの。


 けがわはふさふさで、もりのなかだったけど。


 それでね、それで、ゆーじがそとにでてきたの!


 うれしかったわ!



 こうかいしてる、むかしのゆめ。


 それからは、わたし、すごくしあわせだったの。



 だから、なかないで、みんな。


 なんだもの、しょうがないわ。


 わたし、もいきたのよ。




 わたしのこぶんの、おおかみたち。


 みんなをよろしくね。


 にんげんがすきなら、にんげんと。


 もりがすきなら、もりに。


 すきにするといいわ。


 でも、にんげんにてをださないほうがいいわよ?


 にんげんのむれは、つよいから。


 わかったわね?




 けびんさん。


 としとったわねえ。


 ふふ、なめたら、てのしわがきえないかしら。むりね。


 けびんさん。


 あなたがいたから、わたしとゆーじとありすは、くらしていけたの。


 わたしとゆーじの、おんじんよ。


 ありがとう、けびんさん。




 りーぜ。


 まだまだおんなのこね。


 えるふってほんとにながいきなのね。


 これからは、りーぜが、みんなをみまもってちょうだい。


 りーぜは、ながいきだから。


 だからりーぜ、つよいおんなになるのよ。


 わたしみたいに。


 だから、なかないでりーぜ。


 つよくなって、みんなをみまもって、みんなをみおくってね。


 りーぜ。


 りーぜがいたから、ゆーじはいろんなところにいきはじめたの。


 りーぜのおかげなのよ。


 ありがとう、りーぜ。




 ありす。


 ありすはきれいになったわね。


 がんばっていかいをあげたもの、いまもきれいよ。


 ふふ、でもやっぱりこどもみたい。


 なかないで、ありす。


 ありすとであえて、よかったわ。


 ゆーじといっしょに、いろんなところにいったわね。


 ありすといっしょにいられて、たのしかったわ。


 ありがとう、ありす。


 ゆーじを、よろしくね。


 あらあら、むすめはほんとうにありすそっくりね。



 …………ゆーじ。


 りっぱになったわね。


 もう、だいじょうぶそうね。


 けびんさんも、りーぜも、ありすもいるし、みんなもいるもの。


 、だいじょうぶそうね。


 ゆーじ、ゆーじ。


 なかないで。


 わたしがなみだをふいてあげられるのは、これがだから。


 りっぱになったんだから、だいじょうぶよね。


 もうゆーじは、ぱぱだもの。


 ゆーじ。


 ゆーじがみつけてくれたから、ひろってくれたから、わたしはたすかったの。


 たのしかったわ、ゆーじ。


 でも、ごめんなさい。


 わたしが、むかしからかしこかったら、つよかったら、こんなことにならなかったかも、しれないのに。


 へんなひとをたおして、ゆーじはいえにいられたのに。


 ごめんなさい。


 でも。


 こっちにきて、がんばるゆーじが、だいすきだったわ。


 ああ。


 よくみえなくなってきたの。


 ゆーじ、もっとかおをちかづけて。


 わたしが、なみだをふいてあげるから。


 たのしかったわ、ゆーじ。


 こっちにきて、ゆーじも、たのしかったなら、いいな。


 ああ。


 うまれかわっても、またゆーじに、あいたいわ。


 ゆーじは、まっててくれるかしら?


 たのしかった。


 しあわせな、じんせいだったわ。


 あらやだ、わたしったら。


 じんせいだって。


 いぬなのに。


 うふふ。



 ………………………………わんっ。









-------------------------後書き-------------------------


長い長い物語、ここまでお読みいただきありがとうございました!


※IFルートに関しまして※

IFルートは同シリーズ別タイトルにて投稿します。

掲示板住人たちが異世界に行ってしまうドタバタコメディになりました。

時間取れ次第、こちらもカクヨムにアップする予定です!


-----------------------------------------------------------

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る