『第三章 ユージはニートだけど日本ではお金持ちらしい』
第三章 プロローグ
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ユージの妹視点です
この章は日本との関係が中心です
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「Hello? もしもし? あ、なんだ恵美かー、どうしたの? そっちはいまお昼でしょ?」
「どーしたじゃないわよ! サクラは知ってる? たぶんサクラの家とお兄さんが掲示板で有名なの!」
「え? なにそれ? ウチのお兄ちゃんならまだ引きこもってるんじゃないの?」
「違うのよ! あー、もう、知らないのね! そうだと思ったわ。とりあえずURLメールするから、すぐ見てみなさい。じゃあまた後でね!」
仕事を終え、夜にかかってきた電話は高校時代の友人からの電話だった。
「もーなんなのよ恵美ったら。さっそく送ってきたし」
恵美からのメールを開き、URLから掲示板に飛んでみる。
「え!? なにこれ! お兄ちゃん何してんの! 異世界ってどういうこと!」
予想外の内容に、私は思わず大きな声で叫んでしまった。
『どうしたんだいサクラ? 日本語なんて珍しいじゃないか』
『あ、ごめんねジョージ。でも私のお兄ちゃんと家が大変なの! スケジュール詰めてすぐに日本に行ってくるわ!』
『んー、わかったよ。サクラがいまやりかけの仕事って何があったっけ? とりあえずデータまとめて資料もわかるようにしておいて。あとはボクがやっておくから。まとめてる間に飛行機予約しておくね』
『ありがとうジョージ! 愛してる!!』
さっそく私はパソコンに向かい、いま進めている広告デザインのデータや資料をまとめていく。
悔しいが、デザインセンスは夫であり共同経営者であるジョージの方が上。
このクライアントも元はジョージが担当していた会社。問題はないだろう。
とりあえず家に電話をかけてみる。
繋がったが、キュルキュルキュルとテープを早回しした音しか聞こえてこない。
壊れてるのかと何度かけても同じ。
理解不能な事態と繋がらない電話にイライラがつのる。
「明日、ロスから日本まで飛んで、成田から家まで三時間ぐらいか……。レンタカーも予約しとかなきゃ。もー、なにしてんのよお兄ちゃん! 異世界とか意味わかんない!!」
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