第3話 お姉さんゲット計画①

 お姉さんゲット計画は次の朝から始まりました。何より、気にはしていなかったのだけど、神様からもらったスキル言語理解はきちんと機能していたみたいです。

 興奮していたから全く無意識のうちに家族と話せていたことはそれなんでしょうね。明らかに日本人ではない私と家族の容姿からそうなんだって昨晩ベットの中で考えていました。

 明日は、スキルの確認をとりあえずするべきよねと思って眠りについて、そして、今私はと言うと、朝も早くから運動ができる恰好で庭に出てみたわけなんですけど、さて何しようかしら。最初にあの最初に神様にお願いしたアイテムボックスからやってみようかな?というか、どうやって使うのかしら?レンジャーものみたいに「アイテムボーックス!」って叫んでみる?いやちょっと待って。さすがに早朝から叫ぶのはまずいわよね。近所迷惑だし、変な人と思われても恥ずかしいわ。じゃあ、普通に言ってみるだけでいいかしら。


「アイテムボックス。おー!」


 すごいすごい。目の前に現れたウィンドウ!なにこれ素敵。これ何も入ってないから四角い画面みたいになってるけど、このフォルダみたいなやつは新規作成?あーなるほどパソコンみたいになってるわけね。とりあえず、何か入れてみようかしら。そう思い、近くに何か入れるものが無いか周りを見渡しました。これでいっか。手に取った小枝をアイテムボックスにしまう作業です。どうするの?入れと念じる?と思った時には手に持っていたはずの小枝はいつの間にか消えてしまいました。


「なにこれ、ファンタジー!」


 前世から手品なんてできないから、この不思議光景に興奮してしまいます。じゃあさっきの小枝が入ってるか確認しなきゃ。でも、さっき思っただけで収納されたのだから、もしかして念じるだけで開くんじゃない?アイテムボックスと心の中で念じてみると、さっきと同じようにウィンドウが目の前に現れます。なにこれ便利!それにちゃんと木の枝って表示されてるし、画像付なのも助かるわね。それから、私は、アイテムボックスにそこらへんにある石だとか木だったりをアイテムボックスにしまっていったのです。


 しまったやりすぎたわ。さっきまで木に覆われていた庭だったのだが、空き地のようにすっきりと何にもなくなっていました。庭と言っても、裏庭で、別に手を入れられていたような庭ではありません。逆にすっきりしていいんじゃない?と思い、そのままにすることにしました。これだけすっきりしていたら使い道もありそうだし、掃除したと思ったら母さんも喜ぶかもね。むふふ。母さんのありがとう!という笑顔と抱きしめられる想像をするとニヤニヤが止まらないのは仕方ないです。しまったよだれが。


「エミリー?」


 夢中でアイテムボックスを使っていたらみんなが起きて来る時間になっていまいました。母さんが家から呼ぶ声が聞こえます。


「今行く!」


 そう言って家に帰ると朝食ができていました。


「父さん母さんスーザンおはよう。」

「エミリーおはよう。朝からどうしたんだい?朝の散歩かい?」


 みんなに挨拶したら、椅子に腰かけているダンディーな男性に声を掛けられます。これが父さん。母さんに比べると少し年上に見えるが、悔しいけれど超男前さんです

 。母さんの旦那さんである父さん。私からしてみると、恋敵であった男性です。めちゃくちゃいい男だわ。ほんとに悔しいわー。母さんとあーんなことやこーんなことしてるんでしょあなた。本当に腹立つーきー!と顔をしかめていると、母さんがこちらをみていることに気付いて正気に戻します。


「おはよう父さん。ええ、朝早く目覚めちゃったから裏庭にね」


 そう言ってにこっと笑顔を向ければ、父さんはでれっとした顔をします。やっぱり私の笑顔にはかなうはずないわよね。ほんと、男ってちょろいわ。ただ、娘が可愛くて仕方ない父親と言われればそれはそうなのかもしれないけれど。



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