第12話 仮入部が始まるよ☆②
校舎4階突き当たりにある第一音楽室、そこにある銀色の大きな扉「この門を潜る者は一切の希望を捨てよ」と書かれた文字。
果たして中には一体何があるのか…
続きはWEBで…
って続くんだけどね!
ここWEBだから!! WEB小説だから!
てか書いてあるの普通に「吹奏楽部へようこそ」だからね!
と、作者の下らない妄想はおいといて…。
ドアノブに手をかけた弘之は拓郎の顔を一瞥すると小さいが力のこもった声で「開けるよ」っと声を掛ける。
拓郎はゴクリと喉を鳴らして一呼吸置くと言葉は出さず弘之に頷きを返した。
そんな拓郎の態度を確認し、何かを決める様に一気に扉を開く弘之。
ガチャ。
ギーーイィ…前の校舎を建て替えてから20年程、現代の工法で作られたその扉は大して古くもないのに、木造の校舎に付いている扉の様な怪しげな音をたてる。
シュバッ!
「待ってましたー!! 新入生入室第一号ですー☆」
弘之が扉を開け足を踏み入れるな否や左手にトランペットを持ち、忍者のように素早い動きと明るい声で近寄って来た身長140センチ位の小柄な女の子。
「小学生?」
その女の子を上から下へと一瞬見た後、つい咄嗟に口に出してしまった弘之。
「小学生じゃないよー! もー」
っと言いながらその子は首を左右にブンブンと振り、手をバタバタと上下に揺らしながら抗議している。おさげ髪にした髪も左右に揺れてでんでん太鼓みたいになってるけど…
後ろから弘之に続いて入って来た拓郎と漫画に出てきそうな人だなーっと2人で見ていたら、急にその子は左手をくの字に曲げ腰に手をあててビシッと右手を伸ばし人差し指を突き出して、いわゆる「犯人はお前だ! のポーズ」を取ったのである。
「私の名前は
ちょ、ちょ、ちょ、そのギャグこの小説で二回目だから!良くないそー言うの!
「「探偵? 」」
声を揃えて返す弘之と拓郎の2人、周りにいる他の部員らしき先輩達は「波瑠、またやってるよ」と言った顔をしていた。
(探偵かー、小学生みたいだけになー、身体は子供、頭脳は大人的なかー)といつものように外れた様に考えてる弘之。
拓郎の方は一瞬驚いたものの「探偵ですか? ここは吹奏楽部ですよね? トランペット持ってますし」と冷静に返していた。
波瑠は拓郎が余りに冷静に返してくるので自分のイタイタしさに恥ずかしくなったのか、そっと楽器を直ぐそばの椅子に置き、スカートの上から太もも当たりを軽く両手ででパンっとはたき、口に手を当ててゴホンと咳払いをして言いなおす。
「あ、あたしの名前は
2年生で部長?
確かこの学校では3年生も夏休み前までは部活あるんじゃ無かったっけ…。
弘之は不思議に思い首を傾げるが、直ぐに波瑠が話しを続けたので考えをやめた。
「取り敢えず、2人の名前を教えてくれるかな?それと希望の楽器が有るなら教えて。無いなら一通り紹介するから」と普通に始める波瑠、さっきの探偵ポーズは何だったのか。
「藤村 拓郎です。高山小学校から来ました。やりたい楽器はまだ無いです。宜しくお願いします」相変わらずイケメン口調な拓郎。
(まだ中学一年生なのにしっかりしていて、すごいなー、若干カバに似てるんだけどなー)
弘之は左手をくの字に曲げ腰にやり、ビシッと右手を伸ばして人差し指を突き出…そうとした所でパシッっと頭を叩かれ突っ込まれた。
拓郎と波瑠先輩に!
弘之は、ちょっ、波瑠先輩の裏切り者ー。っと憎々しげに波瑠を見た後普通に答える、普通に、フツーに。
「橋本 弘之です。村川小学校出身です。希望の楽器はとろん、ぼーーーんです」
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