第52話 類は友を呼ぶ



同族嫌悪?



バサッバサッ

「カァーー」


 あぁ…主様。

 そんなに凛々しいお顔をして、今日は何処へ行かれるのでしょうか。


 だいたい出かける時は奥方様(?)のカワウソと一緒なのに、今日はお一人ですわね。


 これはしっかりと見守らなくてはいけませんね。



ーーーーーーーーー


 ん?雑貨屋さんに入りましたね。


 何か選んでるみたいですけど、よく見えないですわね。なんでしょう。




 次は洋服屋さんですわね。


 女性もののコーナーに行きましたわ。

 主様にそういう趣味でもあるのでしょうか?



 あ、出てきましたわ。


 難しい顔をしていらっしゃいます。良いものがなかったのでしょう。



……

…………



 あれから色々なお店に入っては出てを繰り返していますが、何を探しているのでしょうか…。



 次は何処へ…….なるほど、公園のベンチで休憩するのですね。



 はぁ〜コーヒーを飲む姿が麗「あぁ、先輩のコーヒー飲んでる姿、とても素敵です。……貴方もそう思うでしょ?カラスさん」



 なっ、誰ですか!?



「最近、先輩を覗き見している変態さんは誰かなぁ?ねぇ、カラスさん」



 この女、職場で主様と親しげに話している…

 まさか、私に気付いていたんですか!?



バサッ


『カラスは逃げ出した』


シュンッ


『しかしまわりこまれてしまった』




「たまたま先輩の姿を見かけて後を追ったら、ずっとカラスがついてきてたのが気になってね」



 なんてプレッシャーを。

 逃げられないですわ。



「先輩の後をつけるような悪い子とは、少しお話しをしないといけないですね」



「カァー!!」


完全にブーメランしてるクセに偉そうに言いやがってですわ!!



同族嫌悪?


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