第48話 仲良く3人で

両手?に花。




ーーーー遊園地近くのファミレス


「さくら先生だけズルイです!遊園地デートなんて!」


「それよりもお前、なんで遊園地にいるんだよ」


 お化け屋敷で本物の幽霊の如き活躍を見せた後輩に、半ば引き摺られるように連行された俺とさくらさん。


「課長から2人が遊園地に行くかもって聞いて、先輩の仕事のスケジュールを計算して今日が可能性高かったので…つい…。ダメ、でしたか?」


 そんな上目遣いで言われても、発言内容が色々とヤバイからな。

 なんだよ、スケジュール計算って。

 普通に土日休みに来ただけだぞ。

 何をもってして可能性が高いって判断してるんだ?



「キュキュ、キューキュー。キュッ!!」

(よくも邪魔してくれたわね。この小娘が!!)


「ちっちっちっ!隠蔽工作はしっかりしましょう、さくら先生。遊園地って聞いたときから、絶対に阻止しないといけない危険なアトラクションがあったので、こっちも本気だったんです!」



 遊園地にそんな危険なアトラクションなんてあったか?

 確かにジェットコースターは危険だったが…。


「キュ…キュ」

(ま、まさか)


「そのまさかですよ。ゆったりとした動きなのに、ドキドキはジェットコースター以上!数多くの男女を結びつけてきた恋愛モンスター!!観覧車です!!!!」



 観覧車?

 そんなに重要か?あれ。



「…」


 って、さくらさんの落ち込み具合半端ない!!

 真っ白に燃え尽きたムンクみたいじゃん!!






 …仕方ないな。



ーーーーーーーーー






「綺麗ですねー」


「そうだな…。ちょっと狭いけどな」


 右手に後輩。





「本当に綺麗ね」


「そうだな…。ちょっと重いけどな」


 左手……側に隙間はないので、頭にさくらさん。





 今日も恋愛モンスターは絶好調である。





両手?に花。

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