第5話別室にて
メタトロンにより召喚された5人がいる部屋は別の部屋から監視されていた。その部屋にいたのは白髪でロングヘアの天使と金髪でセミロングの天使がいた。金髪の天使は椅子に座りモニターの正面におり、キーボードのようなものを操作していた。白髪の天使はそれを覗き込むような形でモニターを見ていた。
「紀世彦さんは他の方達と打ち解けることはできましたかね??」
「姉さんは心配しすぎなんだよ。てか施設の案内するんでしょ??ならさっさと準備してこなきゃなんじゃない??それにあの人達に向かってもらう世界の選出も終わってなかったよね??」
「一度に何個も言わないでよー。お姉ちゃん泣いちゃうよ??」
「勝手に泣いてれば??」
少し塩対応をする金髪の天使だったが、少し涙目になってる白髪の天使を見てため息をもらした。
「しょうがないから世界の選出はやっといてあげるよ」
「本当に!?やったー!!サンちゃん大好きーー!!!」
そう言うと白髪の天使は金髪の天使に抱きついた。
「わかった、わかったから、もう離して、はーなーしーてー!」
そう言いながらジタバタ暴れて抱きつかれた状態から逃げ出した。そしてジト目で睨みつけている。
「ごめんごめん、それじゃ準備してくるね!」
そう言って白髪の天使は手を振りながら部屋から出て言った。部屋に残ったサンちゃんと呼ばれた金髪の天使はゆっくりと椅子に座りなおし、机に置いてあるタブレットのような物を使って調べごとをはじめた。
少し時間が経った頃ドアが開く音がしてサンちゃんはそちらに目をやった。そこにいたのは金髪の天使で、長い髪を1つにまとめているだけといったシンプルな髪型だ。
「ミカエル先輩じゃないですか!こんなところまで来るなんて急用ですか??」
「こんにちはサンダルフォン。同胞達をそそのかした邪神が誰なのか判明したわ!」
「それは本当ですか!?」
驚きのあまり勢いよく立ち上がってしまったため、椅子を倒してしまった。
「いったい誰なんですか??」
「ベルゼブブです。」
「これは強敵ですね…」
そう言いながら倒してしまった椅子をなおして座りなおしたサンダルフォンだったが、何か考え込むとタブレットのようなものをいじり始め、ミカエルに話しかけた。
「召喚された5人に行ってもらう世界なのですが、ここはどうですかね??」
そう言うとミカエルに画面を見せた。ミカエルはそれを見ると自分のこめかみ辺りを人差し指でツンツンしながら考え込み返答した。
「んー、確かにこの世界ならここである程度訓練してから他の世界に行くより、効率よくあの子達が強くなってくれそうですね。」
「じゃあこの世界に決定しますね。」
話がひと段落ついた時部屋のドアが開き、最初に出て行った白髪の天使が勢いよく入ってきた。
「サンちゃん準備終わったよー!!世界の方は決まったー??」
元気に話しかけた白髪の天使だったが、サンダルフォン以外の人がいるのに気づき、その人物がミカエルだということに気づき動きが止まった。ミカエルはそんな白髪の天使を少し呆れた感じで見た後、ため息をついた。
「そういえば世界の選出はあなたに頼んでいましたね、メタトロン。先の話し方だとサンダルフォンに仕事押し付けましたね?」
「ミカエル先輩……押し付けてないですよ!サンちゃんがやってくれるって言うから甘えただけです!」
「サンダルフォン、メタトロンの言うことは本当ですか?」
「確かに押し付けられてはいませんが、姉のポンコツさを見てたら我慢できなくなりつい……」
サンダルフォンはミカエルから若干目をそらしてそう言った。ミカエルはそれを聞きまたため息をついた。
「いいですか?まず、メタトロンはもうちょっとしっかりしなさい!サンダルフォンはメタトロンを甘やかしすぎです。いくら双子だからといってもメタトロンは姉なのでしょう?そしてサンダルフォンは妹なのでしょう?これじゃどっちが姉でどっちが妹だか……」
ミカエルは深いため息をもらした。
「それでは召喚された方々の所に行きますね。」
メタトロンがちょっと焦りながらそう言い、サンダルフォンの手を掴み部屋から出ていった。
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