第4話仲間
「さて、これからなのですごが、紀世彦さんの他にもあと4人ほど召喚されておりますので、皆さんに挨拶に行きましょうか!」
いきなり何を言い出すかと思えば他にも召喚されていたらしい。
「他の方は前日に召喚されて今は施設の中を自由に使ってもらっています。」
「俺だけ違う日に召喚された意味は?」
なぜ俺だけ違う日日なのだろうかと疑問に思い聞いてみた。
「召喚したはいいのですが、納得してもらったり説明していたら1日使ってしまいました。」
テヘペロと言わんばかりの笑顔をしながら照れくさそうに頭をかいていた。確かにいきなりこんなとこに召喚されて、これからやっていかないといけないことを言われたら処理するのに時間かかるかと思い、少し納得してしまった。
「他にも理由はあるんですけどね…」
紀世彦に聞こえない程度にボソッと呟いた。
「それでは案内致しますね!」
案内されるまま廊下に出て目に広がる光景を見た時、やはり自分がいた世界とは違うということを改めて実感した。そこには見たことのない植物が育っており、無造作に生えていないことから、きちんと管理されていることがわかる。興味ありげに紀世彦は見ていたが、案内されている途中だったことを思い出し、メタトロンについて行く。
「挨拶が終わった後は施設の案内と紀世彦さんに割り当てられている部屋の案内と少しだけお話があります。」
少しの話ってところにちょっとひっかかる感じがあったが、ここでの生活などについてだろうと思いスルーした。そして少し進んだのち、ある部屋のドアの前で止まった。
「この中に残りの4人がいらっしゃいます。」
どんな奴がいるのか気になりながら中に入ろうとした時メタトロンに止められた。
「中に入る前に1つだけ言っておきたいことがあります。それは、能力アップを3つしたことは内緒にしといてください。」
「なぜ急にそんなこという?」
「他の方は能力を1つしか上げてないので、3つも上げたとなると色々と問題が…」
「ならそいつらにも3つ与えればよかったのでは?」
「それがそういうわけにもいかず…」
歯切れの悪い言い方しかしてこないので何かあるなと思いつつ、ドアの前でこんな話を長々とするものではないなと思い、とりあえず挨拶を済ませてからじゃないと色々聞けそうにないなと思い、少し悟ったように紀世彦はこう言った。
「あー、詳しい話は後でいいから挨拶を済ませてしまおう。」
「そうですね、そうしましょう」
そう言うとドアを開けて中に入った。
「みなさーん、こちらが最後の追加メンバーであなた達の同期の羽崎 紀世彦さんですよー!」
元気一杯といった感じのメタトロンの声が部屋に響いた。
「えー、少し前に召喚された羽崎 紀世彦だ。これからよろしく頼む。」
そう言いながら周りを見わたした。そこには男が2人、女が2人だった。そして高身長で20歳くらいの見た目、軽くパーマをかけてた感じの髪で、赤髪のイケメンが最初に返事を返してきた。
「俺はクリス・フォークナーだよろしくな!」
そう言うとそこやかスマイルをされた。なんだこいつ、めっちゃイケメンである。次に話しはじめたのはもう一人の男で、見た目は27歳くらい、少し身長は低めでガタイが良く、スポーツ刈りの茶髪だ。
「自分、マキシム・ルータイと言います!召喚されたからには一生懸命頑張ります!!羽崎さんも頑張りましょう!!!」
少し訛りがある喋り方で、熱血系みたいなやつだった。次はピンクの髪で髪型はサイドおさけ、18歳くらいの見た目の美少女だ。
「うちはニコレッタ・チェルヴィですっ!気軽にニコって読んでねっ!」
元気一杯の可愛らしい女の子だ。ラストはポニーテールで白髪の女の子。この子も18歳くらいの見た目の美少女だ。
「ラストは私ですね。私はリタ・レイシー申します。よろしくお願いします。」
とても落ち着きがあり清楚な感じがする女の子だ。みんなの簡単な自己紹介が終わったりこれからどうしようかなと紀世彦が思いはじめた時、メタトロンが話を切り出した。
「紀世彦さんに施設の案内などしないといけないのですが、今は皆さんと親睦を深めていただきたいと思うので少しの間お話をしていてください!私は案内するから準備をするため少し席を外させていただきますね。それでは失礼いたします。」
そう言うのと軽く会釈して部屋から出て行ってしまった。皆がその姿を見送り見えなくなった後、クリスが紀世彦に話しかけた。
「紀世彦はどこのステータスをチート級にしてもらったんだ?」
いきなりその話を振ってくるのかと思いつつ、メタトロンに3つ能力を上げてもらった事を隠すように言われた紀世彦は、どれのことを話そうか少し迷ったが1つに決めて返答をした。
「俺はHPを上げてもらった。やはりHPがある以上死ぬ可能性があるからな。みんなはどこを上げてもらったんだ?」
「俺は力を選んだね、圧倒的力さえあれば敵を倒すのに苦労しないからね。」
「うちは回避能力だよー、攻撃をかわせれば問題ないと思ったからね。」
「自分は守りです!絶対的な防御力こそ仲間達を守れますからな!」
「私は魔力です。魔法が使えるみたいなので思う存分使いたいなと思いまして。」
クリス、ニコレッタ、マキシム、リタの順で答えてくれた。その後、クリスが話を切り出した。
「俺たちは昨日召喚されたんだけど、まだ詳しい説明をされてないんだよね。」
「それは紀世彦さんが召喚されてからと天使さんが言ってたじゃないですか。」
「話を聞いていなかったのですか?」
クリスとニコレッタが言い争いを始めたので、マキシムとリタに少し話を聞こうと思い、紀世彦は質問を始めた。
「どれくの話をされたんだ?」
「確か天使がねがえってそこの管理下にいた人達もねがえったということは聞きました。」
「他に何か聞いたか?」
「他は何も聞いていませんね。」
「そうか、なら俺が聞いた話と同じだな」
言い争っている2人以外の会話がここで止まってしまった。紀世彦自身としても出会っていきなり会話を弾ませるほどのコミュニケーションは持ち合わせていないので3人は静かな時間を過ごした。
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