第4話 巨乳を愛でる

 コニー達の後を追った明継とアール・ハリは、程なくJK四人組を発見した。彼女達は某マンションの駐車場で遊んでいた。


「相変わらず馬鹿だな。駐車場でバレーしてるよ」

「星子……運痴だな」


 明継は熱く潤んだ瞳で星子を見つめている。見つめる先は星子と言うか、揺れる胸と言うか。体を動かすことが苦手だという星子は、やはりバレーボールも下手くそだった。


「あれは壊滅的にダメだな」

「そこが可愛いんじゃないか」

「そうか? 知子の体の切れは目を見張るものがあるぞ。コニーもやるな」

「なんだ。胸と運動神経は反比例するとでも言いたいのか?」

「いや、本来は関係ないのだが……この場においてはその法則が当てはまるな。星子F75、波里C70、知子A70、コニーAA65……だな」

「それはブラのサイズか? アール・ハリ」

「そうだが」

「なら数値はアンダーなのか?」

「そうだな」

「トップサイズはいくつなんだ?」

「知りたいか?」

「もちろん……だ。せ……星子ちゃんの公称値は93のEカップなんだが、これは昨年の数値なんだ。今はFカップに成長しているはず……一説にはGカップではないかとも言われているんだ」

「そうなのか?」

「ああ、そうだ。俺は実際の数値がいくらなのか気になって仕方がない」

「細かい事はどうでもいいだろう。星子が巨乳であることに間違いはない」

「いや、その巨乳がいかほどのものなのか、正確に把握する事で巨乳への愛が深まるんだ」

「誤差などどうでもよいではないか」

「よくない。その誤差がカップサイズの誤差に繋がるのだ。カップサイズを間違える事など、巨乳愛好者には許されない破廉恥な行為だ」

「わかったよ。トップサイズは星子96、波里86、知子81、コニー72だ。この阿呆……」

「おおお。星子ちゃんは3センチも成長してたんだな。そしてコニーは絶望的な洗濯板だったと。で、何か言ったか? アール・ハリ」

「何でもない。さあ仕掛けるぞ」

「何をする気だ?」

「その辺の住民を操り彼女たちを襲わせる」

「ミミズを使ってか?」

「いや、単純な念動力を使う。解除も簡単なので、その時の対処方法を観察しコニーの能力を探るのだ」


 小柄で青白い顔をしているアール・ハリが瞑目し、彼の全身から淡い火花が弾ける。幾多の火花は周囲に飛び散り、人々に憑りついた。


 大通りを行きかう自動車が停車し人が降りる。路線バスは道路の中央で停車して、乗客と運転手も降りてくる。通行人。マンションの住人。それらの人々が青白い顔で、ゆらゆらと駐車場に集まって来た。まるで、映画に登場するゾンビのように。


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