第4話 官能百合小説はお好きですか?
そこは女子高生の部屋とは思えない場所だった。
壁には人気アニメ「機甲猟兵セミラミス」のポスターが貼ってあり、その脇には大戦中の米戦闘機、P47の透視図が貼ってある。更にその脇には英国製航空エンジンのRRペガサスの写真が飾られている。棚の上には黒い三連星のドムと赤い彗星のザクⅡが起立しており、その脇には砂漠迷彩に塗装された旧ドイツ軍の四号戦車が陣取っている。
カーテンやベッドの色調はブルー系で統一されている。
どう考えても男子の部屋。
しかし、その部屋の主は女子高生だった。
「ねえ。星子ちゃん。感じてる?」
「聞かないで。もうあそこは♡♡♡♡よ」
星子の胸に顔を埋めその感触を堪能している少女。星子の上衣は既に脱がされ、今、スカートのホックが外される。
「ダメだよ。羽里ちゃん。これ以上は……」
「恥ずかしい事なんてないわ。星子ちゃん」
星子のスカートは脱がされ、そしてブラのホックも外された。
プルンと躍り出る豊かな胸。
その頂にあるピンク色の蕾に口づけをする羽里。
「ああ。ダメだよ羽里ちゃん。それ、刺激が強いよ」
「だったら止ない。覚悟してね。星子ちゃん」
羽里は自らの衣類を全て脱ぎ去った。
そして自分の乳首を星子のそれと重ね、こすり合わせる。
「ああ。いけないわ」
「私、ものすごく興奮してる。もう止まらないわ」
そう言って再び星子の唇を奪う羽里。
羽里の舌と星子の舌が絡み合い、水音を響かせる。
羽里の右手が星子の下半身を撫でまわす。
そして星子のショーツにするりと侵入していく。
そこは既に濡れそぼった乙女の秘められた場所……
「何だこれは! シュシュ姫!!」
「官能小説のようですね。ララ様」
「これを音読すれば馬鹿作者を辱められると言う話ではなかったのか!?」
「はい。そう聞いていますが……」
「馬鹿作者を辱める前に」
「読まされるわたくし達が恥ずかしいですわ!!」
馬鹿作者……すなわち暗黒星雲に辱められたことに対して報復の意思を固めたララとシュシュだった。
彼女たちは馬鹿作者に恥をかかせると言われている秘密の書籍を入手した。その書籍が何故馬鹿作者を辱めるのか。その理由は主人公が馬鹿作者の擬人化している女子高生、すなわち黒田星子だったからなのだ。そしてその中身を音読して録音し、世間に晒すべく作業をしていたのだが……。
「ダメだ。これ以上続けられない」
「無駄な抵抗だったようです」
ガクリと肩を落とす両名。
そこに入って来たのは軍医のリオネ。
「何? 楽しそうな事してるわね。私にも見せて」
秘密の書籍を手に取って中を確認するリオネだった。
「きゃ! これはこれは凄いわ。まあR18の官能小説じゃないの。え?『二人はその濡れた〇〇〇を合わせて◇◇◇した。官能に彩られた喘ぎ声が周囲に染みわたっていく』ですって。うわーエロいわ!」
「何音読してるんですか! リオネさん」
「もう恥ずかしいですわ!!」
作者から提供された心づくしは、彼女達にとって逆効果だったらしい。
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