黄昏時

 忘れ物をして教室に戻ると君が席に座っていて、ただただ前を向いていた。いつもは明るい君なのに、ドアの開く音にも気付かない。ただただ前を見て座っている。あまりにも静かで動かないのが不気味だと思ってしまう。

「ねえ、何を見ているの」

 ゆっくりとこちらを向いてまばたき二つ。君をこちらに引き戻すのには十分だったみたいだ。

 ねえ、君の頭の中を覗かせておくれよ。

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