20×10原稿用紙チャレンジ

沙魚川

高校生の時

 コーヒーなんて苦いのに、君はいつもそれを飲む。

「ブラックコーヒーなんて苦いじゃない、よくそんなも飲めるね」

 君は一瞬目を見開いて

「苦くなんかないよ、美味しいよ」

 なんて返すから私だけ置いていかれた気分になって、いつの間にか広がっていた距離に気付いてしまう。嗚呼、時間よ止まって、戻って戻って。もう一緒だなんて言えないわ。

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