第54話
「鈴奈、私たちも話していい?」
「べら?」
ベラ先生が、声をかけてきた。
「私たちの事も、呼び捨てでいいよ。義一くん」
「どうして?」
「私たち、先生やさんづけとかは苦手なの。呼び捨てがしっくりくるんだ」
「・・・そう・・・」
他の先生方もうなずく。
「実は、ここでの授業は初期クラスになるの」
「初期クラス?」
「ここで、合格したら進級できる。つまり、ここは第一審査みたいなものね」
第一審査ね・・・
まるで養成所だな。
「でな、義一」
瀬梨先生は、呼び捨てか・・・
「君は、無事に合格したんや」
「合格?」
瀬梨は、満面の笑みを浮かべる。
「これから、義一さんは第2審査に進みます」
ほとこ先生は、敬語で話す。
敬語なのは、素のようだ。
他の先生たちも、説明してくれる。
でも、よくわからない。
「じゃあ、明日から第2審査よ」
「第2審査?」
「うん。これまでは先生と生徒の関係だったけど、明日からは家族になるわ。
家族として、上手くやっていけるかどうかの審査」
こうして、これまで通り、そしてこれまで以上の生活が始まった。
『おとうさん、おかあさん、お久しぶりです』
『おう、鈴奈か、どうした?義一はどうだ』
『なんとか合格です。これなら、私たちの家族として、やっていけるかと』
『家族になると大変だがな』
『でも、彼ならきっと乗り越えられます』
『その根拠は?』
【私たちが、全員で、支えます。】
本当に大切なもの 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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