第46話

一時間目は、国語。

なずな先生。


昨日は、「走れメロス」の感想文を書かされた。

小学生じゃあるまいし・・・


「何か文句ありますか?」

なずな先生は、笑顔でいう。

余計に怖い。


「いえ、ありませんが、ただ・・・」

「ただ・・・何ですか?」

「今日も感想文ってことはないですよね・・・」

「違いますよ。安心してください」


よかった。


なずな先生は、一冊の本を出した。

その本には・・・「蜘蛛の糸」と書いてある。


「今日はこれを、演じてもらいます」

「ああ。朗読ですね。なずな先生」

「違います。演じるのです。もちろん私が、お釈迦様です」


残るは、ガンタタとそのほか大勢。

でも、盗人で地獄なら、殺人ならどこだろう?


地獄は六道輪廻というが、それならガンタタの落ちたところは、まだ上だと思うが・・・


「今日は、感想はいりません。それに、間違っています」


そういや、大まかなストーリーしか、覚えてないや・・・


「いいです。演じるんですからね。ガンタタになりきってください」

「演劇部ですか?ここは」

「いいからやるのです」


睨まれる。


覚悟を決めよう。






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