第36話
夕食の時間となる。
僕がしたのは、野菜を切っただけで、他は鈴代お姉ちゃんがしてくれた。
授業外なので、お姉ちゃんでいい。
食器は、既に並べられて、他のお姉ちゃんたちがスタンバイしていた。
コンロではなく、IH.
ガスは危険だが、味気ない気もする。
しかしこの量・・・
どうみても、8人では食べきれない。
「よっちゃん、知らないの?」
鈴奈お姉ちゃんが、訊いてくる。
「何がです?」
「元気な女の子は、がつがつ食べるんだよ」
「ですから・・・」
「君も、男の子なんだから、たくさん食べて健康になりなさい」
「ですから・・・」
この量・・・
どう見ても、僕と鈴代お姉ちゃんが用意していた、50倍はある。
「うちらが、用意してたから」
瀬梨お姉ちゃんが続ける。
僕の授業中に、これをしてたのか・・・
なら、全部やってくれててもいいのに。
「それなら、君の授業にならない」
鈴代お姉ちゃん・・・それはそうだけど。
まっ、細かい事は気にしないでおこう。
でも、気になる。
「毎日、これだけ食べてるんですか?」
失礼ながら、尋ねてみた。
「そうです。毎日、食べてます」
ほとこ先生が、当たり前のように言う。
それにしては、みんな痩せているな。
着やせするタイプなのか?
まっ、その辺は訊くのは止めておく。
8人もいるのに、鍋はひとつしかない。
特注ではない、普通サイズ。
家族の団らんか・・・
忘れていた。
こうして、ようやく食べごろとなる。
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