第33話
晩飯作りが、家庭科の一環。
なんて事はないな・・・
さすがに・・・
まさかね?
「そのまさかだよ」
「えっ?」
そこには、鈴代先生がいた。
エプロンをつけている。
「はい。君のエプロン。仲良く作りましょ」
笑顔で微笑む。
少し怖い。
「ところで、今日のお昼の激辛カレーは?」
「私は、作ったよ。美味しかった?」
眼で訴える。
不味いと言えば、殺すと・・・
でも、ウソは言えない。
でも、正直に答えると気不味くなる。
そうだ。
こう答えよう。
「その前の体育で疲れていて、味を感じている余裕はありませんでした」
「ウソつかないように」
「えっ?」
「君は辛いの苦手だから、食べられなかったでしょ?」
知っているなら、訊かないでほしい。
「君のご両親から、よろしく頼まれてるから」
「なんて?」
「仲良くしてやってくれって」
そういいながら、鈴代先生は、念入りに髪を束ねる。
「料理に髪の毛が入るのは、不味いでしょ?」
「なら切ればいいのでは?」
「よっちゃん、ショートヘアーが好き?」
「いえ、ロングヘアーでポニーテールの子が・・・」
「うん。だからみんなそうなんだよ」
昨日も言ってた気がするが・・・
「後、料理以外にも、家庭科の授業はやるからね」
「どうしてですか?」
やはり、気になる。
僕が授業中、他の先生はどうしているのか?
「君が今、疑問に思っている事は、いつかわかるよ」
読唇術ですか?
「そうそう。他の女の子と話し合って、晩飯は私と君とで作るから」
「朝と昼は?」
「朝は交代で作ってあげるわ。昼は、私」
こうして、調理場についた。
やはりひとりなら、迷ってしまう。
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