第31話

6時間目。

今日の最後の授業。


これで、終わりとなると乗りきれる。

精神力だ、


♪まだかな、まだかな、六時間目の、おばさんまだかな~


ゴツン


痛い。

いきなり叩かれた。


「うちはまだお姉さんやで、おばさんやない」

そこには、瀬梨先生がいた。


ということは、英語か・・・

なら、家庭科の鈴代先生が、お休みか・・・


「瀬梨先生」

「なんや」

「授業中、他の先生はどうしているんですか?」

「ちゃんと、他の仕事してんで」


何の仕事だ?


「生徒は、僕ひとりですよね?」

「せやで」

「なら、どんな仕事を・・・」

「君は気にせんでええ。授業をしっかり受けなさい」


どんな、仕事だろう?


「ほな、行くで。英語の教室に」

「へいへい」

「日本語は、正しく使わなあかんで」


あなたも、言わないでください。


そして、英語の教室に着く。

自慢じゃないが、僕は英語がわからない。


もし、海外に放り出されたら、生きていけない。

通訳がいないと・・・


「ほな、今日は英語で自己紹介してもらうで」

「英語で?」

「制限時間は、30分。辞書を使っても、スマホも許可します。」


翻訳機を使ってもいいのか・・・


「先生」

「なんや?」

「お手本お願いします」


英語の先生でも、さすがにすぐには無理だろう。


だが、甘く見ていたのに気がつく。

さすが、英語教師だ。



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