第30話
「よっちゃん、世の中に無駄な物はないんだぞ」
「あると思います」
「それは、何だ?」
「ゴキブリ」
ゴキブリは、何のためにいるのか、誰か教えてくれ。
「薬品会社の生活のためだ」
京先生に、あっさり答えられた。
そうして、数学の教室についた。
生徒は僕ひとりなので、一か所でいいと思うが・・・
「風俗嬢も、それぞれに個室を持っている。それと同じだ」
だから、未成年にその例えはやめてください。
「なら君の、切り替えを早くするためだ。これでいいか?席に着く」
席に着いた。
生徒は僕一人なのに、どの教室も40席くらいある。
誰か、いれる予定なのか?
僕も、先生たちも、互いに異性としての認識はないようだ。
ほっとしたような・・・残念なような・・・
まあ、普通の学校に通っていた昨年までも、教師に恋愛感情はなかったからいいのだが・・・
「説明はいいから、やるぞ」
「はい」
素直に従う。
京先生は、黒板にすらすらと書いた。
今時、黒板は珍しい気もするが・・・
ちなみに、前の学校はホワイトボードだった。
「よっちゃん、解きなさい」
「わかりません。」
「わからなければ、自分で調べなさい」
「教えるのが、先生でしょ?」
「人に頼っていると、いつまでも成長しないぞ」
ですから、あなた先生でしょ?
先生なら、教えるのが義務です。
「しゃあない。教えてやるか」
文句は給料分を、働いてから言って下さい。
多分、両親が払ってくれていると思うが・・・
こうして、数学が終わる。
かなり、鍛えられる。
ある意味で・・・
この人のほうが、体育に向いている気がする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます