第24話
「さあ、体育よ」
今、僕と鈴奈先生は、あの初めて会った場所にいる。
「あのう・・先生?」
「何ですか?田上くん」
「ここで何を?」
「鬼ごっこ」
鬼ごっこ?
「この歳でですか?先生」
「ただの、マラソンやランニングのほうがいい?」
「鬼ごっこで、お願いします」
納得するしか、なかった。
「じゃあ、まず私が鬼をやるから、よっちゃんが、捕まえて」
「掴めたら、何か頂けますか?」
「これは、授業です。ゲームではありません。ご褒美なし」
ご褒美とは、訊いていませんです。
「でも、ただ走るだけではつまらないよね?」
「はい」
鈴奈先生は、しばらく考えた。
5秒ほど。
「じゃあ、お昼は君の好きな物を、ご馳走します」
「負ければ?」
「君の苦手なものを、食べてもらいます」
よかった。
僕に食べ物の好き嫌いは、全くない。
どっちに転んでも、僕に損はない。
「じゃあ、まず準備運動で体をほぐして」
言われるままに、体をほぐした。
「じゃあ、私が10数えたら、捕まえるから。ドーン」
合図と共に走った。
ちなみに、ジャージに着替えています。
念のため。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます