第19話

一時間目の社会の授業が、終わった・・・


日本史だった。

でも、僕が習っていたのとは変わっていた。


「田上くん、ここ試験に出しますので」

授業中は、くん付けで呼ぶようだ。


公私は、わけるのか・・・


えーと、次は・・・

理科か・・・


ということは、ほとこお姉ちゃん。

面白い名前・・・というのは失礼だが、本名じゃないから、いいか・・・


えーと、迎えに来るんだよな・・・

教室は分けられているし、方向音痴の僕は、迷う。


「お待たせしました。田上くん」

ほとこお姉ちゃんん、もとい、ほとこ先生が来た。


和服を着ている。

似合っていて奇麗なんだが・・・


「どうかしましたか?田上くん」

「いえ、動きにくくないですか?」

「もう、慣れてますから・・・では、行きましょう」


ほとこ先生に案内されて、教室に向かう。

先程の、ひとつ上だった。


教室に入ってみて、驚いた。


ところせましと、水槽が置かれ、中には生物がいる。

そして、あからさまな理科室となっている。


「先生、もしかして、この子たちを・・・」

「ええ。育てて観察日記をつけてもらいます」


小学生じゃないんだから・・・


「何か、言いました?」

「いえ、何も」




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