第8話

「次の方は・・・」

お姉ちゃん・・・鈴奈おねえちゃんに嘆願してみた。


「鈴奈お姉ちゃん」

「何?よっちゃん」

「お姉ちゃんで、統一させてください。覚えられません」

「なんで?」

一応訊いてみる。


「この後、『姉貴』とか、『姉上様』とか、言ってくるんでしょ・・・」

「やっぽ、わかった?」

「ええ」

「何だ・・・昔のゲームみたいで、面白かったのに・・・」

面白がってたんですか・・・


「いい?なずな」

「うん。わかった。じゃあ、私もよっちゃんで・・・」

「了解」

間際らしくなくていい。


「よっちゃん、私は京(きょう)。数学担当。よろしくな」

「よろしく」

少し男勝りなようだ。


「私は、べら。社会全般担当。よろしくね」

「こちらこそ」

一番、お姉ちゃんらしいな。


「うちは、瀬梨。英語を担当するさかい、よろしゅう」

エセ関西人だな・・・


残るは、ふたりだが・・・

おそらくは、1人は理科。

もう1人は、何の担当だ・・・


「続いては・・・」

鈴奈お姉ちゃんが、紹介するが・・・


「春の七草にちなんだ名前でしょ?」

「よっちゃん、よくわかったね。でも、失礼だよ」

あなた方が、言いますか・・・


「私は、ほとこ。理科を担当させていただきます」

大和撫子なのか・・・

ただ1人、和服をきている。


「鈴代(すずしろ)です。仲良くやりましょ」

「どうも・・・って、鈴代お姉ちゃんは、何の担当?」

「家庭科」

「家庭科?」

「今時は、男も家事が出来ないと、お婿に行けないよ」

余計なお世話だ。

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