第4話
「白馬なんですね」
僕は訊いていみた。
「今頃、気がついたの」
女の人は言う。
「で、一体どこへ・・・」
「後で、舌かむわよ」
僕は、口を閉ざすことにした。
辺りを見ている余裕はないが、変わっていないと思う。
「ところで、義一くん」
「はい」
「君は、天然記念物的な、方向音痴だね。訊いていた以上に・・・」
両親か・・・
まあ、他にいないが・・・
どのくらい時間が経ったのだろう。
僕は寝ていたようだ。
「義一くん、起きて、ついたよ」
女の人に起こされる。
「・・・着いたんですか?」
「君は、器用だね。枕が変わっても眠れるタイプでしょ?」
「はい」
確かに、それだけが取り柄だ。
眠たければ、寝袋でも雑魚寝でも、眠れる。
「あのう・・・ここは?」
「ここが君が、今日からお世話になるところ」
辺りを見る。
お馬さんが、たくさんいる。
ひい、ふう・・・七頭か・・・
「牧場ですか?」
「まさか・・・あの子たちは・・・ペットよ」
お馬さんを、ペットですか・・・
建物は、少し先にあるが・・・
あそこなのか?
「じゃあ、挨拶が遅れたね。私の名前は、七草鈴奈。1月7日生まれのA型で、21歳」
「ご丁寧にどうも・・・」
「驚いたでしょ?」
「何がですか?」
一応訊いてみる。
「白馬に乗ったお姫様が、かよわい男の子を迎えに来ました。
そっち
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