新鮮なトマトジュースをお出し!
(断る、このトマトは全部俺様のものだ。誰がお前なんかに渡すか)
「トマ~ト、トマトトマト! トマ~ト、トマ~ト!」
筋肉ムキムキの男は謎の言葉で陽介に言い返すと、このトマトは全部俺様のものだ。そして、誰が渡すかと言ってトマトが入った袋を片手にワル顔で威圧した。
(お前にやるトマトはねぇ、消え失せろ)
「トマトマト、トマ~ト!」
「こ、こいつぅ……!」
その瞬間、陽介はカッとなると筋肉ムキムキの男に向かって拳を振り上げながら戦いを挑んだ。
「この野郎、一人で全部トマトを買い占めるんじゃねーっつて言ってるんだよッ! トマトをひとつくらい置いていけ~~っ!」
陽介は右手の拳を握ると暴挙に出た。怒りまかせに相手に突進するとそこで殴りかかった。だが、筋肉ムキムキの男はその攻撃をあっさりと避けた。そして、かわした瞬間、陽介のオデコを指先で軽くデコピンした。指先でピンとデコピンした途端、陽介は派手に後ろに吹き飛んだのだった。
『ぐぁあああああーーっ!!』
一撃のデコピンで、遠くの棚まで吹き飛ばされた。それこそ一瞬の出来事だった。棚に向かって全身を激しくぶつけると、そのぶつかった弾みで棚から桃の缶詰がバタバタと上から落ちてきた。そして、その桃の缶詰が陽介の頭の上に落ちてくと、彼は頭から出血した。
「うううっ……! なっ、なんてデコピンの威力だ……!? 凄まじ過ぎる……! 一瞬、自分の頭が吹き飛んだかと思ったぞ……! って言うかあの野郎、一人でトマトを全部買い占める気だな……!?」
陽介は頭から血を流しながらも、筋肉ムキムキの男に負けじと立ち向かった。
「おい、まちやがれ……! 今ので俺を倒した気でいるつもりか……!?」
(まだヤル気か坊主、次は容赦しないぞ)
「トマトマトマト、トマ~ト、トマト?」
「ケッ……! それはこっちの台詞だ、お前こそ覚悟は出来てるんだろうな!?」
(なんだと)
「トマ~ト?」
『これでもくらえ~~っ!!』
陽介はその瞬間、落ちている缶詰を手当たり次第に投げつけた。そして、缶詰が男の頭にあたると、思わずそこで足下がよろめいた。陽介は鋭い瞳で一瞬を見極めると、その場から一気に駆け寄って体当たりしてぶつかった。
『ウォオオオオオオーーッッ!!』
激しく体当たりすると、男が持っていた買いものカゴが手から離れてた。
しめた……! 今なら……!
『うぉりゃああああああああーーっ!!』
その瞬間、陽介はキン肉ムキムキの男に体当たりすると派手に地面に倒した。巨木が大きな音をたててズシーンと倒れると、その場で一気にトドメを刺した。
「喰らえ……! 必殺技奥義、デンキアンマ~~っ!!」
『トマギャギャギャ~~ッ!!』
陽介は男の股間に目掛けて左足を股の間にいれると迷わずにデンキアンマを繰り出した。ガシガシガシっと容赦なく足を動かすと、男はそこで悶絶したのだった。
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