第3話 師匠

「登録致しましたし、他の冒険者他のに弟子入りしてはどうでしょうか」

「弟子入りですか?」

「はい。普通は弟子入りをするものですよ」

「私に弟子入りする?」


 受付嬢とは全く別の声が聞こえた。後ろを振り向くと、金の髪をなびかせて碧眼をこちらへ向けている女性が居た。年齢は16歳位だろうか。


「アリスさん!」

「え?誰?」

「アリスさんはたったの1年でBランクまで上り詰めた細剣使いさんですよ」


 何か凄そうだった。俺の村では魔法を使わない剣士なんて居なかったが、おそらく全てを剣に捧げたのだろう。


「どうします?」

「じゃあお言葉に甘えて」


 受付嬢に別れを告げ、アリスさんに酒場の席へ連れて行かれる。


「貴方の武器は?」

「決まってません。でも、細剣が良いかなぁ」

「ほ、本当!?」

「嘘です」

「ふへぇ」


 でも、細剣は良いかもしれない、片手剣と同じ使い方もできるし、軽いため初心者には向いている気がする。


「最初は細剣にしようかな」

「どうせ嘘なんでしょ」

「いいえ」

「え?」

「え?」


 一瞬静かな合間があり、彼女は叫んだ。


「えぇぇぇぇえええ!?ほ、本当に!?」

「はい」


 彼女は「ふぅ」と一息置いて、真面目な顔で話し出す。


「私の名前はアリス。アリス=ノウズよ」

「俺はアルヴ=クレイドです」

「早速だけど、武器を買って狩りに行きましょう!」

「あ、はぃ」


 ぐいぐい来るなぁ。

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