第2章 第1話 イケメン金持ちは全て敵
同棲が始まって1年がたった。奈緒も短大を卒業して、完全に母親のお店で働きだし、俺も2年目を迎える。
相変わらず、奈緒はずっとNo.1をキープ。本当に凄いことだし、彼氏としてはこれを喜んでいいのかわからない。だが、本人も楽しそうなのでいいだろう。
今日は奈緒も休みなので、また近所の居酒屋に飲みに来ていた。
「なんだよ。まだ付き合ってるのかよ。」
「大将? 俺一応お客さんなんだけど。。。」
大将は俺には本当に当たりが強い。相当邪魔者なのだろう。
「大将~ 私の彼氏いじめないでくださいよ~ 可愛そうです。」
「あー! ごめんね奈緒ちゃん! ほらこれをお詫びに焼き鳥5本サービスするから!!」
「わーい! そんな大将好きですよ🖤」
「あっあっあっ ありがとうございますー!!」
大将はもう顔を真っ赤にして奈緒にデレデレである。いい大人が鼻の下伸ばして、若い女の子に手の平で転がされているのをみて、俺も気を付けなくてはと思った。
「大将俺には何もないの?」
「あっ? ほらよ」
「大将なにこれ?」
「生パスタ」
「うわー新鮮!! この歯応え!!ってこれ茹でる前のパスタじゃねーかよ!」
「腹壊して死ね。」
「えーー。ここ飲食店じゃんー。」
いつものやり取りをしていると1人の男が奈緒に話しかけてきた。
「あの、凛さん(奈緒の源氏名)ですよね? この前遊びに行かせていただいた片瀬です!」
奈緒は少し考え、思い出したようで答えた。
「あっ! 片瀬さん覚えてますよ! この前はありがとうございました!」
「こういうところに来られるですね! もっと高級レストランばかり行ってらっしゃるのかと思っていました。」
「それは片瀬さんの方じゃないですか!!いつも世界飛び回っていて凄いお金持ちだし、居酒屋のイメージありません。」
「こういうところ好きなんです! 落ち着くし、日本だけじゃないですか!」
どうやら奈緒のお客さんらしく、身長も高くイケメンでお金持ちらしい、そして世界回ってるということは英語もペラペラだろう。久しぶりに見たハイスペック男だ。
「あれ? そちらの男性はお知り合いですか?」
「あー。私の彼氏です!」
「どうも、弥生といいます。」
「初めまして! 片瀬と申します。 いやー、凛さんと付き合えるとは幸せですね!」
「そうですね! 幸せですよ!」
イケメンよりも上にたててる感じ、優越感に浸りながら言った。
「片瀬さんも一緒に飲みましょうよ! いいですよね?弥生さん!」
「奈緒がいいなら俺もいいよ。飲みましょ!」
「奈緒さんとおっしゃられるんですか?素敵なお名前ですね!」
俺は奈緒に頭を叩かれた。多分お店で本名がばれるのは不味いのだろう。
「大丈夫ですよ。お店ではちゃんと凛さんと呼びますので!」
「本名きかれたのが片瀬さんでよかったです! 他の方とかだと少し心配で。。」
楽しそうに話してる2人を見ていたらどっちが彼氏かわからなくなった。 実際見た目的にお似合いなのは片瀬さんと奈緒だ。
(あっ。俺妬いてるなー。キモいキモい。)
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