第33話 切り替え

 家に帰ってベットに入る。奈緒にも美穂さんにも申し訳ないことをしたと思いながら目をつむるが、なかなか寝付けない。


 今まで、全然彼女ができなかった俺に突如訪れた幸せな時間。思い起こすと、たった1年だが、とても内容の濃い時間だった。


 女の人には優しくするようにと教えてこられた。ただ、その優しさで1人の女性につらい思いをさせてしまっている。しかも、それがバレたらもっとつらい思いをする女性もいるということも。


 そんなことを考えていて寝れるわけがない。ましてや、会社の上司だし今後も常に関わっていかなくてはいけない。


 ブーブーブー


 スマホがなる。こんな夜中に誰がかけてくるのかと思いながら見てみると美穂さんにだった。

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