第23話 親と子は似る2

 奈緒が何故クラブで働いているのか気になるであろう。それは簡単な理由である。奈緒の母親がそこの経営者だからだ。


 母親も若い頃クラブで働いており、ずっと指名1位をとっていたそうだ。それもあって、そのまま独立。今となっては都内でも有名な店舗となっていた。


 母親の顔を見たことがあるが、娘がこんなに可愛いのが納得できる綺麗さだった。


 これは、奈緒と同棲のすることが決まり、挨拶に行った時の話だ。


 想像していたよりもご立派なタワーマンションの玄関前で俺は立ち尽くしていた。


「ねーねー。奈緒ってこんなところに住んでるの?」


「そうですよ? でも、絵美と基本二人暮らし2人だから狭いんですよ。」


 不満げな顔をする奈緒。こんだけいいところに住んでいるのに文句があるとは凄い。それも2人暮らしとは何事か。俺の寮はというと6畳に大和と俺2人。考えただけでも涙が出てくる。


「あれ。。。 何で涙が出てくるんだろう。」


「えっ? 何で泣いてるんですか!?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る