番外編 俺が主役だって

 絵美の話によると、奈緒は別のグループに連れていかれたそうだ。それを聞いて弥生にiPhoneを渡し、奈緒のバックに入っているiPadのGPSを追わせた。


 弥生が戻ってくるまでの間は、絵美ちゃんを1人には出来ないので落ち着くまで話していた。


「今日、私助けて貰ってばっかりですね。」


「いやー。最初は助けられたけど今回は遅すぎたでしょ。」


「それでも、探して助けてくれたんですよね? こんなに広いショッピングモールから」


「そりゃ必死だったからね。まだ絵美ちゃん高校だし。何かあったら親御さんに合わせる顔ないからね。」


 それを聞いている絵美は少し不満げな顔をしていた。


「私が高校生だから必死に助けてくれたんですか?」


「いや! そういう訳じゃないよ。それは建前で、絵美ちゃんだから必死に探したんだよ。」


「素直に嬉しいです。こんな風に私の為に必死になってくれる人初めてです。」


 泣き止んでいた絵美の目にまた涙が浮かんでいた。それを見た大和は何で泣いているか解らず、しどろもどろしていた。


「本当にありがとうございます。これ、嬉し涙ですよ笑」

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