第7話バイトって楽しい

 奈緒のことを思い出した俺は、その時何で最後助けたのは大和といったのに、俺に優しいんですねといったのかを聞いた。


「なんででしょうね? 私も覚えてません(笑)でも、弥生さんに言ったのは間違いないです。じゃなきゃ名前覚えてませんし、実際大和さんの名前は忘れていました。」


「それ大和には言わないであげてね」


 疑問には思ったがそれ以上は追及せず、面接に移った。このバイト先への応募理由もその事件がきっかけだったそうだ。とりあえず、こんだけ礼儀正しく容姿もいいとなると不合格にする理由はなかった。


 1週間後から奈緒は働きだした。物覚えも早くテキパキと仕事をする。まさにバイトの鏡だった。問題があるとすればやたらお客に絡まれる、大和がまともに仕事してくれなくなったというところだ。


「店員さんかわいいね! 連絡先教えてー」


「すみません。仕事中なんでそれはできません。」


「えー、いいじゃん。頼むよー」


 もうこれが奈緒の出勤している時毎日起こる。


「お客様お待たせいたしました。私のメールアドレスになります。」


 そういいながら、客から奈緒をはがす。この行為も毎日のように行われるので非常に慣れてきていた。


「奈緒!もうホールでるな。俺がきつい!」


「おい弥生! 奈緒ちゃんに向かってなんだその口の利き方は!」


「そうですよ! 大和さんの言う通り! 私、新人なんだからもっと優しくしてくださいよ!」


 いつも俺と大和、奈緒のホールシフトが定着してきて遊びに行くときも3人で行くことが多くなってきた。

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